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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第59章 気遣いと気遣い 前編


「いえ、あげは様のお美しさが更に
際立つのであれば、お手伝いをするのが
使用人の務めにあります故。
あげは様がいつまでもお若く、
美しくあられます事は、
延いては、杏寿郎様の為。
円満なご夫婦仲の維持にも
繋がりますから当然にあります」


そう言いながら 望月が
頭を下げて来て

ニコッと満面の笑みを浮かべると


「主様のお幸せこそが、
我々使用人の幸せにあります」


当然と言いたげにそう望月が言って来て

その視線が 杏寿郎の方へ向いてるのに

あげはは気が付いて


「陰陽和合に通じますれば、
夫婦の形を整えます。
お互いが整えば、
より円滑な人生が送れましょう。
心身ともに満ち足りますれば、
それは真に幸せと呼べるかと」


望月さんは 大きなお屋敷の
使用人をしていて 博学ではあるけど

どうにも 哲学的だな…

とあげはは
その望月の言葉を聞いて考えていた


「……」

「……望月、お前は
勤勉なのは結構だが、
些か、俺からすれば。その知識が
一般的でない気がするんだがな」


「しかしながらに、杏寿郎様。
男女の究極の形は
身体の接合を介さずに、
意識と気を交換する事であると。
本に寄れば、極めますれば千里先に居ても、
気を交換出来るとありましたが?」

はぁっと杏寿郎がため息をつくと

「望月、それはお前は、俺に肉体から
解脱でもしろとでも言いたいのか?」

「しかし、杏寿郎。案外それも、
出来なくもないかも知れませんよ?
要するに離れた場所に居る、相手と
意識を交換すると言う事でありましょう?
呼吸を極めれば、それも可能にありましょう」

そう望月の話に
同調するようにあげはが言って来て

「古代の中国に伝わる房中術にあります。
後で、翻訳本をお持ち致しましょう。
杏寿郎様にも、ご興味のある内容も
その中にあるかも知れませんので」


そう言って望月が
こちらに向かって
深々と丁寧に頭を下げた

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