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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第59章 気遣いと気遣い 前編



「でありましたら。お夕飯の後に
お部屋にお酒でも、お付け致しますが?
お茶の方は不要との事でしたら、代わりに
乾き物に、カボチャの種、松の実、
干したイチジク等…ご用意如何でしょうか?
お酒よりも、お茶がとお望みでしたら
イカリソウのお茶もありますが…」

そう望月が
あげはに対して尋ねて来て

あげはが恥ずかしそうにしながら
自分の手で頬を押さえて
それからブンブンと首を横に振ると


「けっ、結構にあります。望月さん。
…そんな、こちらでその様な物を、
ふたりで頂く訳には…
私には、抵抗が…御座いますので」


「イカリソウのお茶に
サフランを少々…と、
丁子も少々…加えますか?」


そこまで 望月が言うと
さっきまで真っ赤だった

あげはの顔が

今度は真っ青になったので


杏寿郎にはふたりのやり取りの意味が
あげはの態度から何となくに掴めたが


「望月」

「はい、如何なさいましたか?杏寿郎様」


「お前の気持ちは
気持ちだけにして置こう。
俺の、あげはが困っているからな。
酒の話で思った事があったんだが…、
夕飯の後に、酒を付けて貰いたいんだが。
清水か一条に頼めるか?」

「あの、杏寿郎さん」


食後に日本酒を付けて欲しいと
杏寿郎が望月に依頼しようとしたのを


「あの、それでしたら、
ぬるめのお燗を2本
私が、おつけさせて頂いても?」


杏寿郎の意図を読み取ってか
あげはが自分が
用意をしたいと申し出て来て


「では、酒器と日本酒と乾き物を
すぐにあげは様がご準備が出来ますよう
清水あたりに、準備をさせておきましょう」


「ありがとうございます、望月さん。
そんな事まで、お世話になってしまって」

「いえ、使用人の幸せは、
お仕えして居る主人の幸せにあります。
主様も、杏寿郎様も私の主。
あげは様、お二人の御関係を
取り持って下さりまして。
この望月、
あげは様には感謝の言葉が
どの様な言葉でも
言い表し切れない程にあります。
屋敷の使用人頭として、
お礼を申し上げたくあります」


そう言いながら望月が
自分の胸に手を当てながら
深く頭を下げて来る

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