• テキストサイズ

その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第59章 気遣いと気遣い 前編


「あげは!
すまないが、ちょっといいか?
俺は、茶の事はさっぱり、
わからんのだが…。
あげは、君は、ナツメ茶や
タンポポのお茶を飲みたいか?」

「は…、え?あっ!ナツメに…、
タンポポにありますか?
いえ、それは、なりません!
杏寿郎!!お声をお抑えにッ」


そう 杏寿郎が
周囲に響き渡る様な大声で言ったので

あげはが慌てて 
杏寿郎の口を手で塞いで来て


「んむっ、コラ。
あげはっ、突然、何をするんだ?」


自分の口を塞いでいる
あげはの手を
邪魔だと言いたげに退けて来て
杏寿郎が不機嫌そうに顔を顰める


「杏寿郎が、
あの様な事を大声で私に
お訪ねになられるからに、
ありませんかっ!!
あのような事を
お尋ねになるのでありましたら、
そのっ、お声は
控えて頂きたく…あります。
いえっ、それは…今は、
必要にありません…ので。
その、私としては。
そちらのお茶に関しましては
お断りを、させて頂きたく…あります」


そう いつもよりも
少し早口な口調で言葉多くに
そう断りを入れて来るから
そうする時は あげはが
動揺してる時の行動なので

話の見えない 杏寿郎は
謂れのない罪に問われている様な
そんな気分になっていて

お茶を飲みたいのかと尋ねただけなのに
ここまで言われる筋合いも無いのだが


「ん?あげは?
何をそんなに、慌てているんだ?
たかだがお茶のひとつに、君は
何をそこまでムキになってるのか
俺にはさっぱりなんだが……、ん?」

「そっ、それは、
杏寿郎さん、その…ッ」


その顔が赤く染まっているのを見て
杏寿郎も少なからずに感じる所があって


あげはの反応と
言葉の内容から察すれば


思わず 望月の方を

その感じた事を確かめる様にして見ると

こちらから
そぉーっと視線を彼が逸らせたので

ああ 成程 そう言う意味の事かと


このあげはの慌てようと
望月の態度が
それに確信を持たせて来たので


どの様な意味なのかは
杏寿郎なりに 悟るには悟った



/ 1961ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp