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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第59章 気遣いと気遣い 前編



眠る時間ではないのだから
わざわざに離れの鍵を落とす

必要はない


それに意味があるのならば…




「あの、杏寿郎?今は…その…」

「慎みを持って…の範囲なら、いいだろう?」



ギュッと不安になってしまって
杏寿郎の稽古着を掴んでしまっていて

ちゅ…と杏寿郎の唇が
そっと あげはの額に触れて来て

それから 瞼に口付けを落とされる


「少しばかりだが、腫れてしまっているな。
冷やすか?それとも温めるか?」

「いえ、ご心配なく。明日の結納に
この顔で…と言う事は無いでしょうから」


そのまま 杏寿郎に瞼に数度
口付けを落とされてしまって

目尻にもそっと 唇で触れて来る


「明日…なんだな。いいのか?
振袖を、衣桁掛けに掛けて置かなくても」

「もう、干すのは一度干しているので。
出してもいいのですが、
明日あちらで着るのであれば、
また畳んでしまいますから。
杏寿郎が、見たいと言うのなら
出してもいいかも知れませんが」


杏寿郎が胡坐を掻いた
自分の身体にあげはを座らせて
自分の胸にあげはの身体を預けさせると

よしよしと愛おしむ様にして
頭を撫でられてしまう

その心地いい感覚に
あげはがうっとりと目を細める


「杏寿郎、私は幼子ではありませんよ?」

「そうか?だが、こうして頭を撫でると
嬉しそうな顔をするだろう?」


トンとあげはが杏寿郎の胸に
自分の頭を置いて持たれ掛けて来て


スリっと 杏寿郎の胸板に
自分の頬を擦り寄せてくる


「もっと、こうされたいのか?」

「はい。もっと、杏寿郎に
撫でられたく、あります…」


「もっと、別の場所も
撫でてしまいそうだがな。
あげは…、口付けてもいいか?」


杏寿郎の手があげはの頬を撫でて
クイッと顎を引かれて上を向かされると

彼が 顔を近付けて来て

口付けられる予感に あげはは瞼を閉じた





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