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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第58章 虎と虎



何とかして この場を
私が収めなくては…

千寿郎君の為にも 私が


置いてあった木刀を あげはが手に取ると


「ここは私が、何とかしてみるから。
千寿郎君は、下がれるだけ下がって
身体を低くして、
自分の身を守っていてくれる?」


正直 自分でも 上手く行くかは分からない


一か八か…な部分はあるし


加減をし合ってる煉獄ではあるけど

自分の鏡面で受け切れるのか不安があった


だが これしか方法が思いつかない


ゴクリと あげはが思わず固唾を飲んで

ギュッと自分の手の木刀の柄を握りしめる


お互いの煉獄を受け流すにしても

相殺し合うにしても


周囲にも物凄い 衝撃が来るのは避けられない



杏寿郎と槇寿郎が

向い合せになって


まるで 合わせ鏡の様に


同じ動きを準えて行く



「「炎の呼吸 奥義…」」



担ぐように木刀を構えて


2人の足元から揺らぐ 炎が

炎柱の様になって 巻きあがって行く

練り上げられた闘気が立ち昇るその動きに重なる



「フゥウーーーウウッ、
シィイイイイッ…」


普通にあの中に飛び込んでも
きっと速度負けするだろうから

踏み込みを見てから踏み込むのなら


あげはが腰を落として

霹靂一閃の構えを取る


これの速さじゃないと間に合わない


「鏡雷の呼吸… 霹靂」


グッと いつでも踏み込める角度で

自分の足を地に付けて構えて


あげはの身体がバチバチと放電を始めて




全身の神経を研ぎ澄ませて


その一瞬を 待つ


目と 耳と 空気を 全身で感じ取る


一瞬 を待つ


その一瞬の遅れを取れば


全てが…無駄になるのだから


つぅ…と 冷や汗にも似た
汗が 一筋 あげはの額から落ちて


そのまま 中庭の玉石の上へと落ちて行く


ポッ…と


中庭の玉石の上に落ちて

その石の上で じんわりと広がる

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