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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第58章 虎と虎



食われる…と

その圧に気圧されそうになる


槇寿郎の炎虎が 杏寿郎の獄炎虎に

飲み込まれようとした時に



だが 俺の炎虎

このまま お前の虎には食わせん





その燃える炎の業火の中から

影がこちらに向かって来るのが見えて


その影に杏寿郎が目を凝らす




「炎の呼吸 参ノ型 気炎万丈!」


「炎の呼吸 弐の型 昇り炎天っ!」



炎を纏って 振り下ろされる
槇寿郎の一刀を杏寿郎が
下から振り上げる一刀で受け流すと


「ふん、ちょっとはやる様に
なったようだな。杏寿郎」


「それは、
こちらの台詞にあります、父上。
父上こそ、現役時代を
彷彿とさせんばかりのご様子で。
安心致しました」


フッと槇寿郎が口の端を曲げて
二ッと杏寿郎も口の端を曲げる


「同じ型で、型同士永遠に打ちあうのも
芸がないと言う物、ここらで一度」

「俺の炎が、そう易々と消せると
思うなよ?杏寿郎」


「俺に消せぬと、仰られるのであらば。
俺の炎もそう易々と容易く
消せる物でもあるまい。
それが、例え、元炎柱の
父上。貴方と言えどもにだ」



いやもう ここで二人が
後出せる 型と言えば


あれ…だよね?


いや もう あれ使う感じなのでは??



ゴゴゴゴゴゴゴ


地震が起こるの前兆を思わせる様に

地響きにも似た音がする


「お止め下さい!!
お屋敷が壊れてしまいかねませんからっ!!」


流石にここで 2人で煉獄を使えば


周囲一帯が吹き飛ぶのでは?


それにあの型は

使い手の命を削って燃やす様な型なのだ


そんな 易々と加減をしたとしても


屋敷の中庭で放っていい 奥義ではないはずだ


こうなってしまって

熱くなってしまう辺りは

杏寿郎も槇寿郎様も

血は争えないのかも知れないが


ギュと不安そうにしながら
千寿郎があげはの稽古着を掴んで来て


「あ、姉上…、一体どうすれば…」


いつも以上にその眉を下げて
潤んだ瞳に見つめられてしまう

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