第8章 療養編 蝶屋敷にて
「このベットの幅じゃ、
現実的には難しい…のでは?」
「ぴったりとくっつけば、問題ない!
まぁ、それだと眠れなくなって、
しまうかもしれんがな!」
と言っていつもの笑い方で笑った
それ… さっきの夢だって思ってたやつ
夢じゃなかったんだけどな…
とあげはが考えていると
「それにしても、現実と思うほど
リアルだったぞ君の香りや温もり…、
体の柔らかさや、重みもな」
そう言ってニヤニヤと少し嫌味っぽい笑みを
浮かべていたので
「あー、起きてましたね?杏寿郎さぁん?」
「何の事だ?俺は夢の話をしてるんだが?」
と怒るあげはに対して惚けて見せた
炭治郎達も朝ご飯と内服を済ませて
しのぶに傷の状態を見て貰っていた
「しのぶさん。煉獄さんとあげはさんには、
会えますか?」
「そうですねぇ、もう1日くらい様子を
見てからですかねぇ?2人ともお元気そうでは
ありますが、かなり重症でしたし」
しのぶの香りからある感情を感じ取って
炭治郎が質問する
「あれ?しのぶさん、いい事ありましたか?」
2人が無事で喜んでいるとか
そんなんじゃないが しのぶの中では
喜ばしい兆しがある様だった
「わかっちゃいましたか?
炭治郎君には敵いません私としては…、
ちょっと正直複雑ではあるのですが…」
炭治郎がある事に気がついて顔を上げた
善逸と伊之助も同じ様に感じ取った様だった
コンコンとドアがノックされて
ガチャと勢い良く開いたと思ったら
そこには杏寿郎とあげはの姿があった
2人とももう普通に歩いていて
昨日の今日なのにと
炭治郎は驚きを隠せなかった
「煉獄さんっ!!
もう、歩いて大丈夫なんですか?」
「煉獄さん?それにあげはさんまで」
しのぶがウロウロしている2人を見て
顔を顰めたのは言うまでもなく
「すまないな、胡蝶!用がすんだらすぐ戻る」
「お二人は、安静指示中ですよ?
ウロウロされては困ります。
それに、あげはさんは…ちゃんと
止めて頂かないと」
コホンと咳払いをして言った
「バイタルも安定してたし、
全身状態も良さそうだったから」
「でも、まだ指示中ですから」