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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第58章 虎と虎



「あっ、姉上が僕に、
稽古を付けて下さるのですか?」

「ええ。私も着替えて来るから。
少し、ここで待っててくれるかな?」

「はい、お待ちしております」


そう千寿郎に告げて
先に離れに着替えに向かった
杏寿郎の後を追いかけて行く


離れで 稽古着に
杏寿郎が着替えて居ると
ガラガラと離れの戸が開いて

誰が来たのだろうかと思って居ると

あげはがそのまま入って来て
シュルシュルと杏寿郎に構う様子もなく
自分の帯を解き始めて

いや 前にも あげはが目の前で
普通に着替え始めた時があったが
その時を思い出してしまいつつに

「杏寿郎」

そう 低い声であげはが
杏寿郎の名前を呼んで来て

「視線を感じるのありますが?」

「目の前で脱がれたら、
ついつい見てしまうだろう?
男の性だな。俺が、悪いみたいな
言い方をしないでくれないか?」


「なら、ご覧になられますか?」


そう言って身体に残って居る
着物の肩だけを見える様にして
あげはが少し落としながら問いかけて来て


「あの時に、俺がここに残した蝶も…
もう、飛んで行ってしまいそうだな」


そう言って 大分薄れた
あげはの左の鎖骨の下の蝶の形の跡を

杏寿郎が指先でなぞって来て


「飛んで行ってしまわない様に、
繋ぎ止めておくか…?ここにもう一度」

「え。あの…、杏寿郎…」


ちぅ…と 角度を変えながら

杏寿郎があげはの左の鎖骨の下に

数回 吸い付いて来て


「んっ…っ、…はぁ、杏寿郎」


消えかけていた 蝶をまた

その場所に 留められてしまった


新しく 赤く残った その蝶を


杏寿郎が指でなぞって来て


「重ねて残すのはダメだと…。
私は、貴方にお伝えして
おりませんでしたか?杏寿郎」


そう彼に対して不満を述べると


「だが、そうしてしまった後だ。
今回は見逃してくれないか?」


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