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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第58章 虎と虎



「改めて、あげは。
君に櫛を贈りたいと考えている。
今は、この俺の言葉だけ
受け取って貰えるだろうか?」


今は その櫛を渡すべきではないが


改めて 私に櫛を贈りたいのだと


その募りがあるのだと そう


杏寿郎があげはに告げて来て



杏寿郎のその言葉に
あげはが頷いた


結局 家への土産に

たい焼きを購入して


家路についた

ーーー
ーー



煉獄家に戻ると


購入して来た 
土産のたい焼きを
清水に手渡して

父上と千寿郎について尋ねると

中庭で稽古をしてると言う事だったから

そのまま 帰宅の挨拶をすべくして


ふたりもその足で中庭に向かった


廊下を歩いて


中庭の様子が見える位置に来ると


「……っ!」


隣に居た杏寿郎が
そう小さく漏らして
自分の口元を押さえていたので


千寿郎に対して
稽古をつけている 槇寿郎の姿が

かつての 幼き頃の自分の父の記憶と
彼の中で 重なって見えている様で


「折角にありますので、
杏寿郎も、先代の炎柱に
ご指導をお受けになられては
如何にありますか?
槇寿郎様ーーーー!杏寿郎さんにも
稽古をお願い致したいのですがーー!」

大きな声で 中庭で稽古を付けている
槇寿郎に向けて
あげはが声を張り上げると

「何だ、お前等。
もう、戻って来てたのか?
もっと、ゆっくりして
来ても良かったんだぞ?
それに、稽古を付けて欲しいのなら。
杏寿郎。お前も、あげはを使わずに、
自分の口で言ったらどうなんだ?」

あげはと杏寿郎の存在に気付いて
そう槇寿郎が言って来て

「でしたら、元炎柱として
俺に稽古を付けて頂きたいのですが。父上」

「ふん。今更俺が、炎柱であるお前に
稽古を付ける事があるかは知らんが。
それでも、いいのなら、着替えて来い。
あげは。俺は、杏寿郎の稽古をつける」

そう槇寿郎が
あげはに対して言って来て

「はい。畏まりました、槇寿郎様。
千寿郎君、稽古のお相手は私でも
構いませんでしょうか?」


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