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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第58章 虎と虎



随分と 高い
天ぷらそばだったのだなと

そんな事を あげはは考えながら


ふたりで蕎麦屋を後にする


そのまま 蕎麦屋のある
大通りを並んで歩きながら

杏寿郎があげはに問いかけて来た


「家に何か土産でも、買って帰るか。
君が、菓子を用意してくれたのに
あまり、甘い物ばかりも良くないか?」

「遅くなり過ぎて、しまいましたか?」


遅くなってもいいとは
言われていたのもあったにはあったし


墓参りをして 昼食を済ませた

と言うだけには 時間は経っていたが


まだ 夕方にもなって居ない
日も高い時間だ


「せっかくだから、この辺りの
商店街でも歩きながら、考えるか」

「ええ、そうですね」


そう言って杏寿郎が
こちらに差し出して来た手を
あげはが取ると 


手を繋いだままで大通りを歩く



こうしていると まるで

逢引…みたいだ


そんな事を あげはが考えていると


『よぉ、そこのお二人さん。
見て行かねぇかい?』


ガラスの簪を店先で売っていた
小間物屋の主人がこちらに声を掛けて来た

『どうだい、ご主人。
奥様に、簪の1本でもちょいと
プレゼントして行かねぇかい?』


「悪いな、主人。
俺と彼女が夫婦に見えたのなら、
喜ばしい事なのだが。
まだ、夫婦ではないんだ」

『そりゃ、失礼しやした。
まだ、夫婦じゃねぇって言うんなら。
簪もいいが櫛はどうでぇ?』

簪ではなくて 櫛を贈り物にどうかと
小間物屋の主人が尋ねて来て

確かに簪にも櫛にも 

贈り物にするのには意味があるのはあるが


櫛を贈る その意味は…


「折角の申し出の所すまないが、主人。
櫛は特別な贈り物だからな。
今ここで買って、
その場で贈る様な物じゃない。
それに、彼女に贈る、簪ならば。
もう、用意してあるからな。
冷やかしてしまったように
なってしまってすまないな。
失礼をしてしまって居た様だ」



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