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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第57章 焦れる焦燥 ※Rー18



「ん?あげは…、どうかしたか?」


私の視線を感じたからなのか
杏寿郎がそう問い返して来て

後ろからその背中に
縋り付く様にして

杏寿郎にあげはが抱きつくと


「別に、どうも致しません。
少しばかり、こうして居ても?」


そう杏寿郎の耳元で囁きかけて
着物の衿から覗いている
彼の素肌に そっと自分の唇を寄せた


「したりない…とでも
言いたげだな、あげは」

「いえ、決して…その様な事はっ」


「俺は、したりないがな?
君は違っていたか?
まぁ、残念だが。今度は食事の方だな」


杏寿郎の腕を引かれて
向い合せになる様に引き寄せられると

彼の胡坐を掻いた 足の上に
横抱きになる様に乗せられてしまって


「でないと、いつまで経っても。
食事のひとつも、摂れないままに
なってしまいそうだからな…」


私が空腹を感じて居る様に
彼の方も空腹を感じてるだろうのに

その飢えとは別の飢えを

満たしたいとそう 
言い出してしまいそうになる


「また、夜に…だな?」

「ええっ、あのっ、…杏寿郎っ
今夜は、その、やはり…、
…お控えになられた方が…ッ」



「言っただろう?
俺は…まだしたりないと」



この数日の埋め合わせが

たった2回では足りないと
そう言われてしまえば


夜の誘いを断れる自信がなくなってしまう



頃合いを見計らった様にして

天ぷらそばが届けられて


ズルッと杏寿郎がいい勢いで
大盛の天ぷらそばを平らげて行くのを

その勢いに圧倒されつつ
あげはは眺めていて


「うむ。美味いっ!美味いな。
ん?どうした、食べないのか?あげは。
すまないが、もう一杯頂けるだろうか?」

あっという間に 大盛の2杯の
天ぷらそばの大半を平らげてしまって

更に追加の 
天ぷらそばまで注文してしまっている

その 素晴らしい程の
彼の食べっぷりを見ていると

また別の 焦燥感が
自分の中に湧いて来て


どうにも イチイチ 

自分の中が騒がしい

ソワソワとしてしまう 


その理由は…


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