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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第57章 焦れる焦燥 ※Rー18



顔から火が出そうな位に
真っ赤になって
思わず あげはが自分の両手で
熱を帯びた自分の顔を覆った


「私とした事が…、何と言う事を。
醜態を晒すなど…ッ、穴があったら
入りたい…とは、正しくに…この事」


そんな事をした所で

後の祭りにしか過ぎないのだから


平常心 平常心…

平常…心


すぅっと呼吸を整えて

自分の乱れた心を落ち着かせる


冷静さを 取り戻して


とりあえず 服…着ないと…と


自分のするべき行動を
見出したまでは良かったが



けど…困った…な 


着物 あんな所にある…


布団から出ないと 取りに行けないな

どうしたものかと
あげはが思案していると



「う…ん?
あげは、もう支度するのか?」

「杏寿郎も、こちらで
身体をお拭きになって、
お着物をお召しになりませんと」


「ん?もう、そんな時間か?
一刻…経つ頃…なのか?
一刻もあればと思ったが、
意外と一刻も、短いもんだな…」

気怠そうにしながら
自分の額を押さえて
杏寿郎が布団から身体を起こす


「流石に、この時間にありますし、
お腹も空いて参りましたから」


昼時の前に店に入ったのだから
そこから一刻も経てば

自分の空腹感をかなり強く感じる


「そうだな、腹…も減るか。
昼も食べずに、余計に腹を
減らしてしまう様な事
ばかりしてしまった居たからな。
空くのは当然の通りではあるが…」

杏寿郎がそう言いながら
あげはの手から手拭いを受け取ると
汚れが気になる場所を拭き取り

自分の身支度を整えて行く

彼がその身に着物を纏う


その様子を あげはは静かに見つめていて


私だけの杏寿郎が

いつもの杏寿郎に戻って行く様な


彼が 少し遠くなってしまう

そんな感覚を感じてしまって


ソワソワと少しばかり
落ち付かない様な

ここに来た時とは
別の種類の焦燥感を感じる


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