第57章 焦れる焦燥　※Rー18

お互いの頬に手を当てて
その顔の輪郭を確かめる様に

自分の手の平を這わせて
ギュッと両手の平で
彼の顔を挟んで

自分の唇を彼の唇に重ねる


「杏寿郎…、もっと、私も
貴方を、感じたく…んんっ、ありますッ」

「もっと、感じてくれるか？俺を」


そのまま　頬を撫でていた手が
頬から離れて
腕を身体に回されて
ギュッと抱きしめられながら


お互いの唇と唇を合わせる

ちゅ…っ　ちゅ…


口付けを交わしている内に
彼のその部分が硬くなって来ているのが
自分の下腹部に当たる感覚で分かる


逞しい　彼のソレに
自分の中を掻き回される
満たされる　愛される感覚に


もっともっと酔いしれたいと


先程そうしたばかりなのに

もっと　と欲が湧いて来る


「杏寿郎…、もっと、
そうして下さい…ッ。自分が…っ、
どうにも、なりそうに…なく
あります…のでっ。
杏寿郎、貴方が好き…なのです」


飢える感覚

もっと欲しいと　乾いて欲する


欲しくて欲しくて

彼が　欲しい　ずっとそうして居たい


「杏寿郎、貴方が…欲し…くあります」


ずっと　繋がったままで居たいだなんて


そんな事　できないって　不可能だって

そんな事分かってるのに


頭では理解が出来てるのにっ…



「あげは、俺も、そうしたい。
このまま挿れてもいいか？
ずっと、繋がって居たい気分だ。
この時間を終わらせるのが惜しい程にな」


「でしたら、杏寿郎。私が…っ…」


あげはが身体を起こすと
そのまま　下に下がって行って

自分から中に俺を　誘って
導いてくれるのかと

そんな　淡い期待をしていると

思って居る位置以上に下がってしまって

杏寿郎の足の間に
あげはが身体を収めて来る


「…っ、あげは？…何を…っ！」


杏寿郎の陰茎に
あげはが自分の顔を近付けて来て

そのまま　チュウッとその部分に

愛おしむようにして
あげはが数回口付けて来ると

「んっ…、杏寿郎…」

吐息混じりに　名前を呼んで来て

自分の陰茎に熱い
血流が集まって来るのを感じる