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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第56章 蝶と蜘蛛と



三上透真の様に…


彼の様に成れるのかとずっと

考える事ばかりだった



だが 俺には 彼の様には成れない



俺は

三上透真には成れない




俺は

煉獄杏寿郎だからな




「だが、俺は、俺のやり方で。
あげは、君を守りたいんだ」

「あの、杏寿郎」

「ん?どうした?あげは」



「私は、今まで一度でも
杏寿郎に、彼の様に…透真さんの
様に、成って欲しいと思った事は
ありませんよ?
杏寿郎は杏寿郎にあります。
杏寿郎は杏寿郎で居て下さい。
それに、守られるばかりは…
私の性にも合いませんので」


どうにも俺の 可愛い あげはは


ただ黙っては


俺にも


三上透真にも


守られるつもりでは無いらしい



あくまで 俺の隣に並んで立つと


そう 俺にも負けない位に

気丈に訴えかけて言い張って来るから


そうそうには 何も言わずに黙って
守られても貰えそうには無いが


「杏寿郎、私は…戦えます。
貴方と、共に在らせて下さい。
私では、頼りなくありますか?杏寿郎。
私では、貴方の背中は許せませんか?」

「いや、そんな事はない。
許せる。君になら。あげは、
俺は君のその心の強さを
誰もよりも知っているし、信じている。
あげは、俺の背中、君に託したい」


「杏寿郎…、嬉しい…です」


支えたいとずっと思って居た

彼女に頼られたいと


だが… 彼女は

そうは望んでくれてはいないからな



支え合いたいのだと



「俺の命を…、あげは、君に預ける」


「では、私の命は、杏寿郎に
貴方にお預け致します」



真っすぐに俺を見据える あげはの目が

変わった 強い意思と闘志に満ちた目だ



柱相当… そんな物じゃない



父上はあげはに
添え柱になって欲しいと言ったが



本来の 鬼殺隊 鏡柱である彼女は



俺の添え柱には相応しくないだろう


添えると言うには 些か立派過ぎる



だが 隣にあってくれると言うならば


これ以上に頼もしい事はないな




「勿論だ、君のその命。
炎柱、煉獄杏寿郎が預かろう。
鬼殺隊、鏡柱…、仁科 あげは。
あの鬼だけは…、滅さねばな。
他の誰でもない、君と俺の手で」



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