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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第55章 再びましての煉獄家



もう一つの差し出されている封筒を
その流れで受け取ろうとして

ピタッとあげはが手を止めた


「あの、槇寿郎様。
こちらの封筒の方は?
こちらの封筒も、
瑠火様宛のお手紙にあられますか?」


受け取った封筒も結構な厚みなのに
もう一つの封筒も かなりに厚みがある

槇寿郎様はそれだけ 長い恋文を
どの様なお顔をされながら 
お綴りになられたのか
その様な事にまで
想いを一瞬で馳せてしまいそうだ


「これは、お前へだ。あげは。」


その差し出されている封筒を
受け取ろうとしていた手が止まった


「私…宛ての、お手紙…にありますか?」

「あげは。随分と、返事が
遅くなってしまって、悪かった」



返事が遅くなったと言う言葉に

この 槇寿郎からの手紙が


随分と昔に 槇寿郎に自分が宛てた


あの手紙への返事なのだと知って



ジロッと杏寿郎が恨めしい様な
睨むような視線を槇寿郎に向けて

グイっと自分の胸に
あげはの身体を引き寄せると
そのまま 肩をグッと抱かれてしまう


「父上、俺のあげはを
泣かせないで頂きたくございますが?」

「いいので、あります。杏寿郎さん。
その、これは…嬉しくて…、流してる
だけに、あります…ので。ご心配には
及びません…から」


「時間は掛かり過ぎてしまったが、
許してくれるだろうか?あの頃の
俺が返す返事とは、今の俺の返事は
内容が変わってしまって居るかも知れんが。
お前には、感謝をしてる。あげは」


「槇…寿郎、様?」


ぽんと大きな手が頭に置かれて

ガシガシと頭を撫でられると


10年の時間が 


一気に巻き戻るかの様に

感じてしまって


今の自分ではなく

癸の時の自分になっているかの様だ


「…ぅ、炎柱…っ、様…、私は…」

「相変わらず、
お前は泣き虫のまんまだな。
チビ助。もう、
チビじゃなくなっちまってるんだから。
いつまでも、泣いてないで卒業しろ」


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