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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第55章 再びましての煉獄家



ましてや俺は あげはに

柱の仕事をさせて その上に

自分と結婚して 子供を産んで

育ててくれと言う 

妻の仕事まで頼もうとしているのだから


お館様が俺の申し出を断って下さって
良かったと寧ろ感謝するべきだな


「俺の…考えの至らずの次第にあります」

「それだけ、杏寿郎さんは
喜んで下さったのでありましょう?
私が、あの羽織に袖を通した時の
あの杏寿郎さんの顔、忘れられませんので」


ゴホンと槇寿郎がひとつ
咳ばらいをして



「さて、そろそろ、本題の方に入るか…。
杏寿郎。あげはの五つ紋の黒留袖は
まだ仕立てを依頼してないだろうな?」

そこまで話をして置いて
本題を話すと槇寿郎が言って来て

今までのは本題では無かったのかと
内心そんな事をあげはが考えていると


五つ紋の 黒留袖


「は?黒留袖…にありますか、父上。
それでありましたら、先日。
まだ早すぎると、あげはに
叱られたばかりにありますが」

「杏寿郎さんは、
気が早すぎるのでありますっ。
それに、あまり一度に沢山の
お着物を頂いてしまっても困りますっ」

ふっと槇寿郎が口の端を曲げて


「そうか、なら、丁度いい。
あげは、お前に
渡したい物があったんだ」


渡したい物があると槇寿郎が言って来て

もしかして…ずっと衣桁掛けに
掛って置いてあるから
気になってたんだけど


あの 黒留袖の事…だよね?


「裏にあるから、見えているだろうが。
あの黒留袖を、お前に渡したいんだ」


衣桁掛けに掛かっている黒留袖は
少々年季が入っていて 真新しさは無いが
上等な品物なのは杏寿郎の目にも分かった


それに家紋 五つ紋の家紋は

煉獄の家紋の物で


父上があげはの為に
仕立てて物ではないのは確かだ


だとすれば 父上が
あげはに渡そうとしている


この黒留袖の持ち主は… もしかせずとも


母上の着ていた 黒留袖か

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