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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第55章 再びましての煉獄家


プリンとスイートポテトを仏壇に供えると
あげはがあの小間物屋で買った 
ちりめんの袋に入った
ビードロをその隣に供えた

「あげは、
その中には何が入ってるんだ?」

ビードロだけではないその巾着の膨らみは
中に何か入っている様だった

「これの中身ですか?匂い袋ですよ?」

「匂い袋…?あ、…ああ。
あの時に作っていたやつか?」

その後の事を思い出して
気まずそうにしている杏寿郎を尻目に
あげはが話の続きを話し出す

「この蝶の袋も、
桜の柄がほとんどでしたが。
こちらのちりめんは、桔梗が
桜と共に描かれておりましたので」

「そう言えば、
ビードロも桔梗柄だったか」

「ええ、前にお屋敷にお邪魔した際に
飾られていたお写真を幾つか、
拝見したのですが。
桔梗の柄のお着物を、お召しに
なられておられるお写真が多かったので。
瑠火様は、桔梗の花が
お好きだったのではないかと……」

杏寿郎があげはの言葉に目を伏せると
ふっと口の端を小さく曲げた

「全く、相変わらず…。君は君らしいな」

「?どの様な意味にございますか?
私は、いつも私にございますよ。杏寿郎」


「母上へのご挨拶は、何も
ここで全て済ませる必要もないだろう?
あげは。この後、
母上の元へ報告をしに行くんだからな」

「そうに、ありましたね。杏寿郎。
槇寿郎様達をあまりお待たせするのも
失礼にあたりますし、戻りましょうか?」


仏間から戻ると
居間の机の上には千寿郎が
お茶と用意して来ていた
サツマイモのプリンと匙を用意してくれていて

「ああ。お茶の用意が出来てますよ。
兄上、姉上。どうぞ」

「うん、ごめんね。ありがとう、千寿郎君」

「折角だから、頂こう。すまないな、千寿郎」

「いえ、そんな。
僕はお茶を淹れて来ただけですから」


上座の槇寿郎と向かい合う様にして

横並びに3人で座ろうとして

あげはが杏寿郎に声を掛けて来る


「あの、杏寿郎は、こちら側でなくて。
折角にありますし、槇寿郎様のお隣に
お座りになられては?」


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