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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第55章 再びましての煉獄家



ゆっくりさせてやりゃいいだろと
不死川に前に言われたことがある
それもかなり嫌味ったらしくに


だが…… 俺は…


「世話になった、これは礼だ。
俺は急用が出来てしまった。失礼する」


そう子供の手に硬貨を数枚握らせて
こんなに受け取れないと
後ろから声が聞こえていたが

義勇はそれに構う様子も無く
そのまま走りながら山を下る


こんな事になるんだったら

宇髄からもしもの時の為に
持って行けと言われていた

兵糧丸とか言う 忍の

携帯食を貰って置けば良かった…と


後から後悔しても仕方ないのだが


そう言えば…


前にこんな事があった時に
あげはには西洋菓子のチョコレートを
持って置けと言われたか…

血糖値がどうとかこうとか
あげはが
口うるさく言っていたが
そんな話は忘れた


「ここから、
明日までに戻れたらいいが……」


そう義勇が漏らす様に呟いて
うっそうと茂った
山林の間から空を仰いだ




ーーー
ーー




その頃 煉獄家では

昨日以上に 朝から

望月達が忙しそうに屋敷の掃除をしていて


「今日も朝から、騒がしいな」


その様子に 騒がしいとでも
言いたげに槇寿郎が眉を顰めながら
ボリボリと後頭部を掻いて
大きなあくびをする

「ああ、旦那様。
おはようございます。
本日は、杏寿郎様と
あげは様が起こしですので。
旦那様も、
洗面をお済ませになられてお召し替えを…」

そういつも通りに冷静に望月が言って来て


「ああ、わかった。そうしよう」

望月に促された通りに
適当に洗面を済ませて
寝巻から着流しに着替えた

着替えを終えてある物を持って
槇寿郎が居間へ向かおうと廊下を歩いていると


「あ。父上、おはようございます」


廊下を歩いていた千寿郎が
こちらに気付いて近付いて来る


「ああ。千寿郎、おはよう。
千寿郎。俺にひとつ、
用事を頼まれてくれまいか?」

「は、はいっ。用事……、
にありますか?何でしょうか?」


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