第54章 忘却の果ての追憶
「夫婦で鬼狩りか……、あげは。
それはいいな。ふむ、悪く無さそうだ。
その内に親子で、
鬼狩りが出来る日が来るかも知れんな」
「それは…、杏寿郎。
夢があって良いかも知れませんが。
少なく見積もっても、
13年、14年後ぐらいですよ?」
杏寿郎が差し出して来た手に
あげはが自分の手を重ねると
ギュッとその手を握りしめられてしまって
「だが、そうなる前に
本願を成就させたい所だがな!」
「はい。鬼の居ない世界を…、
作りましょう。杏寿郎。
長きに渡る、
鬼殺隊のと鬼との戦いの歴史に
終止符が打たれる時が来るのが。
皆の願いにありますから」
ギュッとあげはが
杏寿郎の手を握り返した
「来るのでしょうか?その時が…」
勢いに任せて大きなことを
言いすぎてしまったのかと
心配したのか そう
あげはが勢いなく尋ねて来て
「ああ、来る。必ずな。
どの様な事にも、終わりは来る物だ。
もし、その1000年以上に渡る
戦いの決戦に俺達が、
立ち会えるなら光栄な事だがな。
夢のまた夢の夢物語だとでも、笑うか?」
杏寿郎のその言葉に
あげはが首を左右に振る
「いいえ、笑いませんよ。
杏寿郎、そうであればいいと
私も思っておりますので」
あげはの父親の墓参りを終えて
杏寿郎とあげはは
再び 馬車に乗り込んで
その湖畔の病院跡を後にして
煉獄家を目指した
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すいません、章割りの加減で
文字数が少ないです。