第54章 忘却の果ての追憶
筆跡も彼の物だったから
私は 彼からの手紙だと信じ込んでいて
何も疑いもせずに
自分と彼の分の
お菓子をカゴに入れて
いつもの時間に
私が ここを訪れた時
私を待っていたのは…
アルビノの彼じゃなくて
「あげは?大丈夫か?」
その場で座り込んだままのあげはは
表情も虚ろでこっちの声も
丸で聞こえてない様だ
それに まただ
あの竈門少年の時と同じだ
左目が勝手に鏡眼になってる
何を見てる?あげは
自分の目に 映るのは
あの夜の記憶で
でも その映像は
私の目から見た景色ではなくて
その映像に 当時の私が映っていたから
それが この場所に残る
記憶なんだって気が付いた
『やぁ、こんばんは。
あげは。やっぱり来たね』
そう 言って彼が笑った
『三上…さん?』
『俺は今は、透真…だよ?あげは…』
氷の様な冷たい笑みで 笑っていた
知ってる 私…知ってる
あの冷たい笑みを…知ってる
『きっと来ると思ってたんだ。
あげは。だって、君の大好きな
白い髪のアイツからの
遊びのお誘い…だもんね?
どうして俺が居るのって顔、してるね。
はははは、可愛いね、君は。驚いちゃった?』
スッとその顔から笑みが消える
どうして 知ってるの?
だって ここは 私と彼だけの
ふたりだけの 秘密の場所で
何で? 何で? 何でなの?
あの時… ここに倒れたけど…
気を失っていたのに…
どうして? だってあの折り鶴の
あのお手紙だって…
内緒の… お手紙なのに
どうして? 知ってるの?
全部 全部… 知ってるの?
『知りたい?教えてあげようか…?
どうして、俺が…あの手紙の事を知っていて、
どうして、俺が…、ここを知ってるのか?』
ジッと 深い深い
その青い瞳に捕えらえる
『知りたい……?』
好奇心は猫をも殺す…
当時の私は その彼の問いに頷いた
『それはね…』
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※ 注意
この次が 強姦紛いのページに
なりますので、濁しますし未遂ですが。
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