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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第54章 忘却の果ての追憶




ここに来てはいけないよ?


ここに来るなって 私に言ったのは




水柱の透真さんの方




ここは… ここは



来ちゃ…ダメな場所…だったんだ


そうだ……違う 


私 言われてたんだった 


自分の意思でここを…

ここに来るのを 
ずっと避けていたんじゃなくて

透真さんに 止められてたんだった

ここに 来ちゃいけないって
皆のお墓参りに行きたいなら

一緒に行くからって


ひとりで 
絶対に ここに来たらダメだって


ずっとおかしいって思ってたんだ


透真さんは 

私に何かを酷く禁じたりする様な

そんな 人じゃなかったのに


ここに 私が来る事だけには 

珍しく難色を示していて


一緒に墓参りには来た事はあったのに


その時も 彼は
こっちには近づこうともしなかった


いや 私を近付けようと…しなかった?



思い…出してしまった……



今の今まで 忘れていたのに


あの人が…透真さんが

忘れさせてくれていたのに……



あの夜の一年前の 11歳の夜の事を…



思い出してしまった



ーーーー
ーーー
ーー





あの夜…… 私は

手紙をもらったんだ

11歳の時 ある夜に


いつも アルビノの彼は

ここで待ち合わせをする時は



決まって 私に折り鶴をくれた



私と彼だけの

秘密の手紙だった




鶴を開くと お手紙になって居て

ここで一緒に遊ぼうって書いてあった


その夜も 鶴が私の机に置いてあったから


アルビノの彼からの手紙だって



『あ、いつもの鶴……だ』



カサカサとあげはがその鶴を開くと
彼の字で いつもの時間にと

そう書かれていて

ギュッとその折り紙の手紙を
あげはが自分の胸に
抱く様にして押し付けると



もう一度 その手紙の内容に目を通した



『ふふふっ、今夜、楽しみ…。
お菓子、ちょっとだけ、
カゴに入れて持って行こうかな?』




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