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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第54章 忘却の果ての追憶



苔むした岩が並べられているのが
奥手に見えて


あげはがその緑色になっている岩を指差すと


「杏寿郎。
あれは皆、お地蔵様です…。
すっかり苔むしてしまって、只の
緑色の塊になってしまっておりますが。
ここは、アルビノの彼の
秘密の場所にありました。
こうして昼間は陽光が集まりますが。
夜になれば、
同じ様に月光が集まる場所なので」


要するにここは

あげはにとって

あのアルビノの彼と夜に遊んだ

思い出の場所 なのだろうが


「その夜も、
彼とここに病院を抜け出して
遊びに来ておりました。その時に
ここで倒れている彼を。
三上透真さんを見つけたのです。
丁度、この場所の上が
視界の悪い崖になっておりますから、
崖から落ちて、
頭を強く打っていた様でしたので。
保護して意識が戻った後もしばらくは、
透真さんは、記憶が混乱している様でした。
でも、今から思えば…」

「本来の三上透真と、
もうひとりの三上透真が
入り乱れて外に出て来ていた…と言う事だな。
恐らく、頭を打ったことで
本来の三上透真側の
コントロールが緩んでいたんだろうな。
だから、もうひとりの方の彼が
君と出会ってしまった訳…か」


今は鬼になっている方の三上透真


彼の方は 綿密に水面下であれこれと
計画を練るのが好きな様だしな


そして その彼は

かなり あげはに対して執拗であるし


それに 陰険なまでに陰湿な方法を好むのだ



「それはあの夜から、何時ぐらい前の話だ?」

「一年ほど、前にあります……」


「恐らくだが、あの夜の主犯は
鬼ではないのかも知れんな。鬼は
本当に居たのかも知れないが、あの
三上透真の方ならば、鬼となる前でも
鬼すらもそそのかした可能性もあり得る」


彼が彼女に贈った


あの 黒いバラの花言葉が指し示している



あなたはあくまで 私の物…



あくまでも 彼にとっては


あげはの心が 

本来の三上透真にあった時からも


そして 俺にあったとしたとしても



それは 彼には何ら問題は無いのだろうな




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