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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第54章 忘却の果ての追憶




トンっとあげはが杏寿郎の身体に
自分の身体を預けて来て


「ええ。勿論です……杏寿郎。
私の、話を聞いて頂いても?
杏寿郎に、聞いて頂きたいのです。
私の、家族の皆の話……を」

「ああ、あげは。
聞かせてくれ……」



あげはの話を聞いて居て


ふと思ってしまった


全てはここから だったんだなと



彼女が 亡くなってしまった隊士達の

記憶を自分の中に留めて置きたいと


強く願う様になった理由が



全てはここから 来ていたんだなと



気が付かされてしまった




「あげは…、君の話を聞いて居ると。
全く知らぬ人の事であるのに、
まるでその人の笑顔まで、
脳裏に浮かんでくるかの様に
思えてしまう……な、不思議だが」

「あの、杏寿郎。勘違い……を、
なさってはおられませんよね?
私にとっては、亡くなった人達との
記憶も大切なのではありますが。
当然に、今、生きている、共に戦っている
仲間達との思い出も
同じ様に、大切にありますよ?」


そう言って 杏寿郎に笑顔を向けて来て
杏寿郎の手に重ねて来た手で
ぎゅっと杏寿郎の手を握って来て


あげはが大切だと 重んじている物は

決して 金銭に替えられる物ではないが

彼女にとっては 何よりの宝物なのだと

言う事など

わざわざに確認するまでもなく

その話をする 
彼女の顔を見て居れば知れる事


何にも代えがたい…

尊ぶべき物だと……感じずに居られまい


「あげは、君のその……、
大切な記憶の中に…俺は」


「勿論にありますよ、杏寿郎…。
貴方が私に下さった、
思い出の数々も同じ様に大切にあります。
杏寿郎のお話も、お聞きしたくありますが…。
杏寿郎、お聞きかせ願えますでしょうか?」


「君が聞きたい俺の話…と言うのは、
その、…母上の話だろうか?」


杏寿郎からの問いかけに
あげはが首を縦に振った




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