第54章 忘却の果ての追憶
「どなたの所為に
あるとお思いにあられますか、
私を手厳しくしているのは。杏寿郎?」
「んー?さぁなぁ~、誰の事だろうなぁ」
そう 白々しく杏寿郎が
とぼけて言って来て見せて来て
全く持って
杏寿郎には敵わないんだよなぁと
あげはは内心考えていた
「失礼致します、炎柱様。
馬車の準備が整っております」
荷物があるので
馬車を手配していてくれて
迎えの馬車が到着したと
工藤が伝えに来た
「おお、そうか。工藤。ご苦労だったな。
よし、あげは。出発しよう」
「行ってらっしゃいませ。炎柱様」
炎屋敷の使用人一同に見送られて
2人で馬車に乗り込むと
こちらに向けて手を振って居る
皆に向けて手を振って
炎屋敷を出発した
馬車にしばらく揺られて
炎屋敷を出て 15分ほどした頃
杏寿郎が口を開いた
「あげは。そろそろ…、
話してくれてもいいんじゃないのか?
これから、君が向かいたいと言う
その目的地とやらについての事を…。
俺に教えてはくれないだろうか?」
「前に、杏寿郎のお家で
お話を致しましたよね?
私が、なぜ鬼殺隊になったのか…を。
今日は、その父の
病院があった場所に行きたくて。
父の墓は
その父の病院の跡地にあるので。
引き取り手のあった遺体は、家族の元へ
戻ったようですが。亡骸となっても、
引き取らないと言う
家族もあったのだと聞き及んでおります」
「あの彼は…。
アルビノの少年は?そこに居るのか?」
杏寿郎のその問いに
あげはが首を左右に振った
「あの場には、
患者さん達の家族もいましたが
その家族も鬼の手に掛ったのも多く。
彼と彼のご両親のご遺体は。
遠方の親族の方が、
引き取りに来たのだと……聞きました。
本来であるなら、私が父の娘として
最後までしなければ
ならない仕事であったのに。
私に代わってにそれをしてくれた。
鬼殺隊の対応には感謝をしております」