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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第54章 忘却の果ての追憶


入浴と朝食を済ませて


部屋に戻る


「君の支度が済んだら、すぐ出よう」

「ええ。畏まりました、杏寿郎。
すぐに支度を致しますので、
少々お待ち頂いても?」

「ああ。待っている」


あげはが鏡台に向かって腰を降ろすと
閉じていた3面鏡を開いて

引き出しの中から必要な
化粧品と化粧道具を取り出して
自分の顔に化粧を施す


化粧を済ませると
自分の着ていた着物の帯を解いて
着ていた着物を
部屋の桟に掛けて居る えもん掛けに掛けると



昨日 杏寿郎が選んでくれた


小紋の着物に袖を通した

視線を感じて あげはが顔を上げると


杏寿郎が嬉しそうな顔をしながら
胡坐を掻いたままで頬杖をついて
こちらを眺めている事に気が付いた


「杏寿郎も、いつまでそのままで
居られるおつもりにありますか?
私の事を見てばかりでなく、そろそろ
ご自身のご準備もなさいませんか?」


あげはが着々と準備しているのを
急かして置いて 当の杏寿郎の方は
あげはの支度するのを眺めているだけで

自分の支度をする様子は一向になくて

準備をする様に促してみる


「うむ。やはり、俺の見立てに
狂いは無かった様だな。
その着物…、良く君に似合っている」


白地に色々な色の目立ち過ぎない
紅型風の花柄の小紋の着物に
落ち着いた紫の帯を合わせた

いつもなら二つに分けて耳の後ろで
団子にして結い上げている髪も

今日は着物だから
後ろで巻き上げて一つに結い上げると
二匹の蝶の飾りを重ねて付けた

鏡台に向かって髪を結っていたあげはが
支度が整ったので杏寿郎の方を向くと

こちらに視線を向けたままで
固まってしまって居る杏寿郎が居て

あげはが何事かと首を傾げる

「杏寿郎?如何なさいましたか?」

「いや、女性と言うのは…
髪型ひとつでこうも、
印象が変わるものなのだなと
感心してしまって居ただけだ」


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