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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第53章 期待の募る夜には… R-15



ボタボタ…と
水滴が杏寿郎の髪からしたたり落ちて


「あげは?君は
何てことをしてくれるんだ?
俺は、髪は
洗わないつもりだったんだが?」

「でしたら、私が杏寿郎を、
そうしてしまった責任を取りまして。
杏寿郎の髪は洗わせて頂きますので。
お湯、掛けますね?」

そう言って空になった手桶で
お湯を汲みなおすと 
杏寿郎の返事を待たずに

ザバァと上から容赦なくそれを掛けて

ボタボタと杏寿郎の
頭からお湯が勢い良く したたり落ちる

「ふむ。俺としてはどうにも、
…納得が付かんのだが。気のせいか?
俺はそうして欲しいとは、
君に返事はしてないんだがな。あげは。
俺はこれは、怒られてる…んだよな?君に」

「さぁ?どうにありましょうかね…。
杏寿郎がその減らず口を、少しなりと
減らして頂ければいいだけの事にあります」

そう言いながらも 更にあげはが
髪の芯まで濡れて無かったからなのか
上からお湯を追加で掛けて来て

どう考えても 嫌味を言われているよな…?

声にも言葉にもどうにも棘を感じてしまう


「だが、俺は嘘は言ってないぞ?
それでも怒られるのか?」

「それがっ、減らず口だと
私は言っているのですが?」


ガシガシと多少の恨みを込めて
杏寿郎の髪を大型犬でも洗うかの様に
洗っていたあげはが

ピタッと洗っていたその手を止めて


「……そう言えば…、前にも…
杏寿郎の髪をこんな風に、
洗った事が御座いましたね。
この傷が、治る前に蝶屋敷で…」


そう背中の方へと抜けている
傷跡にあげはが手を添えると

後ろからギュッと杏寿郎の身体を
自分の身体で包むようにして抱きしめて来て

杏寿郎はそのあげはの行動に
戸惑いを隠せずにいると

「もう、怒るのは止めたのか?あげは」

「私がずっと、怒ってる方が、
良かったのでありますか?杏寿郎は」

「いや、そんな事はないんだが…」


「それとも、杏寿郎のお身体の方も
私が洗って
差し上げた方がいいでしょうか?」


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