第53章 期待の募る夜には… R-15
いつもはキッチリと着物を着る彼の
そんなルーズな 着方に
ドキドキと
何とも言えない色気を感じてしまって
自分の胸が
騒がしくなりつつも見てしまって居て
「あげは。
君もいつまでそうしてるつもりだ?
今日は急ぐんじゃなかったのか?」
「えっ、あ、あの?杏寿郎?
何をなさる、おつもり…にあられますかッ」
グッと杏寿郎があげはが被っている
掛け布団の端を握ると
バサッと音を立てて
勢い良く布団を捲り上げられてしまって
「きゃっ」
全裸の身体には冷気が堪えて
思わず自分に身体に掛け布団を巻き付けると
「あの、一緒に…ですか?」
あげはの言葉に杏寿郎が目を見開いて
「ん?何か問題でもあるのか?
風呂なら、何度も一緒に入ってるだろう?
それに、寒いなら風呂に尚更、
早く浸かった方がいいな。運んでやろう」
「えっ?いや、ええっ?私は一緒に
入るとは言っておりませんよ?杏寿郎」
確かに杏寿郎がそう言っている通りに
何度も彼とは一緒に入浴しているし
月の物もほとんど終わってる様な物だけども
少しばかり一緒に入浴するのには
今は抵抗があって返答を濁していると
「何、遠慮する事はない。
あげは、一緒に入ろう」
そのまま 被り直していた
掛け布団を剝ぎ取られてしまって
バサッと上から
脱いでいた寝巻を掛けられると
横抱きにされて
浴室まで運搬されてしまって
「私は、入るとは…そのっ
言っておりませっ、ん…、よ?
…っ、は、はくしゅん」
「ダメだぞ?あげは。
女性が、身体を冷やすのは良くない。
君には俺の…子を
産んでもらわねばならんからな。
そうなる前とは言えど、大事な身体だ。
忘れたとは、言わせないぞ?あげは」
横抱きにされたままで
額に口付けらえると
どうにもその昨日の約束が
気恥ずかしくなってしまって
その杏寿郎の胸元にぎゅっと
自分の顔を隠す様にして埋めた