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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第53章 期待の募る夜には… R-15


スルッと杏寿郎の指先が
愛おしむ様にして
あげはの頬を撫でて来て


「気のせい……、
でもあるまい?あげは……」

「あっ…、杏寿郎……」


近付けられる唇に口付けの予感を感じて

あげはが自分の瞼を閉じようとした時


部屋の襖の向こう側に
人の気配がしたのを感じ取って

思わず 口付けを
こちらにしようとしている
杏寿郎の顎をあげはが押さえて
その顔をグイっと持ち上げる


「…っ、あげは?
突然に何をするんだ?
自分の未来の夫に、
それは酷いんじゃないのか?
いいだろう?口付ける位……ッ。
減るもんじゃあるまい……し」


『すいません、炎柱様。おはようございます。
そろそろ、ご起床のお時間にあります。
朝食と風呂の用意を整えてありますが。
どちらを先にお召しになられますでしょうか?』


そう襖の向こう側から
春日がこちらに申し訳なさそうに
呼び掛けて来る声が聞こえて来て

「そうか。すまんな、春日。
気を遣わせてしまったな!
ありがとう。俺とあげはは先に
風呂を済ませてから朝食を摂るから。
その様に、頼む」

「はい、畏まりました。炎柱様。
では、私はこれにて」


襖の向こう側にあった
春日の気配が無くなって


「よし。あげは。
今から、一緒に風呂に入るぞ。
今日は、家に戻る前に君の行きたい所にも
行かねばならないからな!」

そう言って勢い良く
杏寿郎が全裸のままで
布団から出て立ち上がると

「ん?あげは、どうしたんだ?
俺のなんて、見慣れてるだろう?」

当然座っている 私の目の前に
杏寿郎の…その辺りが来るのだから

微妙に視線を
こちらから逸らしているあげはに
不思議そうな顔をしながら
杏寿郎が尋ねて来て

「とっ、兎に角。杏寿郎は、前ッ、
前を、隠して下さいッ」

「まぁ、君が言う事も一理あるな。
流石に俺も、俺の屋敷とは言えども、
丸裸では廊下は歩けんからな」

杏寿郎がそう言いながら
畳の上に脱ぎ散らかたままになっていた
寝巻をすぐ脱げるように軽くだけ羽織って
前の合わせも整えずに 
乱れさせたままで丹前帯を軽く締めた


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