第52章 蝶の悩みと晩御飯
酔ってる所為なのかな?
杏寿郎の纏う色気が…
他の人にも… 感じ取れてるのではないかと
そう思うと 少々あげはは
居心地が悪くなってしまいつつ
「杏寿郎、ご冗談はそれぐらいに…」
スッと春日が突然に立ち上がると
「中座して申し訳ありませんが、
私はお風呂の用意を整えて参ります。
お風呂が沸くまでの間、お部屋で
お二人でお寛ぎになられて、
お待ち頂けますでしょうか?」
そう 春日より提案されてしまって
気を遣わせてしまったなぁ…と
思ったら思ったで
居た堪れなくなってくる
「そうか、春日。
なら、そうさせて貰うとしよう。
あげは、部屋に戻ろう」
「でしたら、炎柱様。
残りもお部屋にお持ちいただいて、
お二人でごゆっくりと、お楽しみ下さい。
芋焼酎が広まるのは、
誇らしい事にありますし。
喜ばしい事にありますから」
そう工藤に言われて
工藤さんにまで
気を回されてしまって
残って居た芋焼酎も持たされて
その場から追い出される様にして
杏寿郎と部屋に半ば強制的に
戻らされてしまった
ーーー
ーー
ー
そのまま部屋で続きを楽しんでいると
お風呂が沸いたと
春日さんが知らせに来てくれて
「あげは、
なら先に入って来るといい。
君の風呂が済んだら、
俺もすぐに入るとしよう。
その間に支度を整えて置くといい」
そう言われて その目を見ると
そうしますとしか言えずに
そのまま杏寿郎の言葉に従って
風呂場へと必要な物を持って向かった
までは 良かったが
あげはの足取りは重かった
だって
本当は断ろうと思たんだ
一番風呂
だって もう終わりの方とは言えど
私はまだ 月の物…なのだから
それに屋敷の主を差し置いて
女が先に入るだなんて…そんな事…
でも その主である
杏寿郎がそうしろと言って来たんだけども
良かったのだろうか…と思わなくもない