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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第52章 蝶の悩みと晩御飯


そう春日が感心した様子で
異なる銘柄の焼酎を飲み比べていた


そのまま 皆で夕餉を食べながら
二種類の芋焼酎を楽しんで


杏寿郎は 偶にはこうして
使用人と食事を共にするのも
悪くないなと感じつつ

楽しそうに談笑している
使用人達とあげはを見ていた


「杏寿郎さん、
箸…が止まっておいでですが?」

あげはに声を掛けられて

「あ、ああ。
大丈夫だ。食べているからな」


食べていると言うが
実際に杏寿郎の手は止まっていたし

杏寿郎は自分の手にある
さつまいもと里芋のご飯の茶わんを
しげしげと眺めているだけで
食べる様子はなかった


「さつまいもご飯は、俺の好物だから
食べる機会は多いが、里芋…は初めてだな」


自分のお茶碗の中の里芋が杏寿郎は
気になって居る様子だったので


「騙されたと思って、
食べてみて貰えれば分かりますよ」

ふふふと
あげはが笑って見せたので
半信半疑に思いながら
そのさついまいもと里芋ご飯を
杏寿郎が口に運んだ

「美味い!!わっしょいっ!!
あげは、コレは何だ?美味いな!」

そう言いながら 更に
次から次へと 口に運んで行って

あっという間に茶わんを空にしてしまった

「あげは。
お代わりを頂いてもいいだろうか?」

「えっ、あ、はい。
どうぞ。杏寿郎さん何って、
さつまいもと里芋のご飯ですけど?
…と言うか、今のって…っ」

あげはから
ご飯のお代わりを受け取る際に
そう指摘されてしまって

しまったと杏寿郎が慌てて
自分の口を左手で塞いで来て

何が何だかあげはが首を傾げていると

「す、すまない…あげは。
今のはその、聞き流してくれッ、
つい…ボロが出てしまった」

ボロが出たと杏寿郎が
白状した来たまでは良いのだが

「いえ、杏寿郎さん、
ボロが出たのではなくて、
わっしょい…だった様に、
私の耳には聞こえたのですが…」

「…――――たのだ」

杏寿郎が左手で自分の口を押えたままで
ぼそっと何かを言って来て



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