第52章 蝶の悩みと晩御飯
「昨日の夜の続き…、でもするか?」
昨日の続き…っ
「…つ、続きっ…にありますか?」
それって 時間の区切り…ない…って事
昨日は…その 蜜璃ちゃん達が
お風呂からいつ戻るか分からないから
時間的にも 余裕が無かったし…
「時間に…構わずに…納得の行くまで。
そうできると、俺は言っているんだが?
今夜はふたりきりなんだ、じっくりと…
昨日の続きも出来そうな物だがな」
「じっ、じっくりっ…いや、あの
じっくりも、必要ないかと…」
あんまりじっくりと
何度も何度も杏寿郎の手で
昇らされてしまうのは…良くないのでは?
「ん?じっくりは嫌なのか?
なら、あっさり…にが。ご希望なのか?
それに…俺としては、
今夜は、君のいい声も…
この耳で堪能したい所だしな」
そう杏寿郎が言いながら
自分の顔にかかる髪を耳に掛けて
自分の耳の縁を指でなぞって
見せて来るから
その仕草に 何とも言えない色気を
感じてしまって落ち着かなくなってしまう
声も抑えてたけど…
誰も 居ないって事は…
それも 抑えなくていい…って事だよね?
それも 杏寿郎は 聞きたいって…言ってるし
グルグルと色んな考えが浮かでしまって
昨日の夜の事が 思い出されてしまって
目の前の杏寿郎を
男として酷く意識してしまう
「あの…、杏寿郎…。
私は、その大丈夫なのですがっ。
昨日の夜はその…杏寿郎は…、色々と
お辛かった…のでは、ありませんか?
えっと、今夜は…、幸いにも
誰も…留守にしておりますので。
その……、杏寿郎も…」
ギュッとあげはが
杏寿郎の羽織の裾を引っ張って来て
その含みのある
彼女の言葉に期待をしてしまっている
…がしかし だ
俺を我慢させたままだと
思いこんでいる あげはに
あの後 実は一人で…慰めたから
大丈夫だ…とは
口が裂けても言えんからな
さて どうしたものか