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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第52章 蝶の悩みと晩御飯



「迷っているようでした」

「迷う?何にですか?」


「あげは様の、
結納にどの訪問着を着るか、
カナヲは迷っている様でした」

「えっ、銅貨…ではなくて、自分で
考えてる…と言う事ですか?あのカナヲが…」


アオイの言葉にしのぶが驚いた様にして

カナヲの部屋ドアを見つめると

ガチャっとドアが小さく開いて

その隙間から
今にも泣き出しそうな顔をしている
カナヲが見えて

カナヲが真っすぐにアオイを見ていて
それから その隣にしのぶの姿を見つけると

バンッとドアを勢い良く開いて

その腕には3枚の訪問着があるのが見えた


「師範っ、…着物ッ、私…選ばないとって
そう、思うのにッ、選べなくて。だって
どの着物も、大事だから…私ッ
どれも、着たいし…どうしたらいいのか…ッ。
着物、一枚しか……着れないから」

「だったら、カナヲ。あげはさんが
贈ってくれた訪問着にしませんか?
私のは、いつでもまた着られます。
お正月でも構いませんし。
でも、貴方はその日は、あげは姉さんの
妹として、結納に出席するのですから。
それに、カナエ姉さんの事でしたら。
カナエ姉さんは、さんと
一緒に居ますから心配要りません」

そう カナヲを安心させる様にして
しのぶがカナヲに声を掛けて来て

「しのぶ姉さん…。どう言う事?
あげは姉さんと、
カナエ姉さんが一緒…って」

しのぶの言葉の意味が分からないと
カナヲが大きな目を更に
大きくしながら問い返して来る

スッとしのぶがカナヲの頭に
自分の手を伸ばして よしよしと
カナヲの頭を撫でた

「あら?
カナヲ…、少し背が伸びましたか?
私と、同じぐらいだと
思ってたのに。悔しいですが。
ああ、話しが逸れましたね。
私が…煉獄さんにお願いしたんです。
あのあげはさんに預けていた、
カナエ姉さんの振袖を、あげはさんに
着る様に説得して欲しいと。」





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