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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第52章 蝶の悩みと晩御飯



「大事…」

アオイの言葉にカナヲが
自分の胸の前でギュっと手を握りしめて


「まだ、あげは様の結納まで、
もう一日あるので。
カナヲが着たいのを着たらいいのかと」

「いい…の?私が…着たいやつで」

「勿論です。カナエ様もしのぶ様も
それに勿論あげは様も、それを
自分でカナヲが選んだと知ったら。
お喜びになられるかと」

アオイのその言葉にカナヲの顔が
ぱっと明るくなる

「うん、わかった。そうする」

そう言いながらも
畳の上に並べた訪問着とにらめっこをしながら
うんうんと唸り声を上げているカナヲの姿は

可愛らしくもありながらに
微笑ましくもあるとアオイは感じていた

「アオイ。待って」

アオイが部屋から出ようとするのを
中からカナヲが引き留めて来て

「まだ何か?」

「アオイ。ありがとう」

「いいえ。私は何も。では」


そのまま 小さくアオイが会釈すると 
アオイがカナヲの部屋を後にして


カナヲの部屋の戸を閉める際に

その横顔がドアの隙間から見えて

その悩みながらに嬉しそうな
穏やかな笑みを浮かべている
カナヲの横顔が印象的だった


「ああ。アオイ。カナヲは部屋ですか?
その辺りには、居ない様でしたので」

任務から戻って
仮眠を取って目覚めたしのぶが
アオイの姿を見つけて声を掛けて来て

「はい。しのぶ様。
カナヲは部屋に
居るには居るのですが。今は…」

アオイがしのぶの質問に答えながら
自分の後ろのカナヲの部屋のドアを
ちらっと目で確認する

「えっと、カナヲは今は。
取り込み中…と言った所でしょうか?
あ。それはそうと、アオイ。
私が依頼してた件については、
何かお返事はありましたか?」

「はい。ご安心下さい。しのぶ様。
そちらについては、
数名の隠を派遣して下さるとの
お返事がありましたので。
その、…楽しみ…、ですね」

「ええ。とても…」

そう言って ふふっと
しのぶが小さく声を漏らして笑った

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