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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第52章 蝶の悩みと晩御飯



その頃


蝶屋敷では



ジッとカナヲが自分の部屋で

数枚の着物をベットの上に広げて居て

その着物を眺めたまま固まっていた


そこから数時間動かないと
心配したすみがアオイを呼びに来て

アオイが入り口から部屋の中の
カナヲの様子をそっと窺うと


ベットの上には 訪問着が並んでいて

「カナヲ!カナヲ!」

入口からカナヲをアオイが呼ぶも
カナヲからの返事はない

痺れを切らして アオイが
部屋の中に一応聞こえてないだろうが
コンコンとノックをしてから入ると

ベットの上の着物を見ている
カナヲの視界を塞ぐようにして
腰に手を当てたアオイがその間に入った


「カナヲ、着物をこんなに広げて
どうしたんですか?着物だらけにして。
何をなさっているのです?」

「アオイ。助けて、どうしよう?
どれを着たらいいのか…、
決められないの。
いつもみたいに銅貨で決められない。
前に炭治郎に言われたみたいにして、
決めたいって思ってるのに…」

そう今にもアオイの顔を見つめて
カナヲが泣きだしそうな顔をしていて


「こっちは、カナエ姉さんがくれたやつ。
それから、こっちは師範が着ていたやつで。
こっちは、師範からの贈り物。
それから、こっちが
あげは姉さんが買ってくれたやつ。
自分が着たいのを、選べばいいんだろうけど。
どれも着たい…から、悩んでた」

着物の一枚一枚をカナヲが指さして
アオイに事の経緯を説明して来た

「でも、しのぶ様は
見える所で、着られるのは
恥ずかしがるかと思いますので。
着るんでしたら、私としては
こっちかこっちがよろしいかと」

そう言ってアオイが
カナエからの訪問着と
あげはからの訪問着を
カナヲの前に持って来て

「でも、私が思うだけですが。
カナヲがそうして悩むのは、
それだけカナヲが、
しのぶ様の事も、カナエ様の事も、
あげは様の事も大事に
思ってる証拠ですので」



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