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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第51章 喧嘩の後は…


「ああ、あの話を
春日から聞いたのだな…。
あれは確かに俺の考えもでもあったし、
それに何より、
胡蝶の希望でもあったからな!
自分の姉の願いを…、
叶えてやって欲しいと。
胡蝶の姉はずっと…、
君を三上透真の件で
騙していたと、
後悔をしていた……のだろう。
それに、君の幸せはその、
胡蝶の姉の
願いでもあったのだろうからな」


トンと杏寿郎が
あげはの両肩に手を置いて来て

その双眸があげはを見捉えて居た


「杏寿郎。貴方に
聞いて頂きたいお話があるのです。
カナエちゃんが…、あの振袖の
仕立てを一緒に頼みに行った
帰りに…言っていたのです。
あの振袖を、自分の成人式に
着るよりも先になるかも知れなけど……。
招待……して欲しい…と。その…
私の結婚式…に、あの振袖を着たいと…」


「用意するつもりでいるが?」

「用意…?何の用意にありますか?」


「胡蝶カナエ…様宛ての、
俺達の結婚式の招待状の事だが?」

「……っ。杏寿郎…ッ…、それは…、
本当にありますか?あの……杏寿郎
お願いがあるのに…、ありますが……」

「言われずともの話だな、
で?何通必要だ?」


あげはの言いたい事を
既に杏寿郎の方は悟ってくれていた様で

宛名の無い 招待状を

数通用意してくれる

募りにしてくれているのだと

あげはが知るのには 十分だった


「ああ、杏寿郎っ!
ありがとうございますっ!
あの、杏寿郎…、好き…です。
とても、嬉しくあります。
もう…、この上なくに。
やはり、私は日ノ本一の幸せ者に…
ある様ですッ……、杏寿郎」

「昔、父上が言っていた……
つい先日、笑いあった仲間が死ぬのは
良くある話…だと。確かに父上の言葉は
正しかった。俺は…、多くの仲間の死を
この目で目の当たりにして来た。
君は…、憶えて居る…んだろう?
あげは、俺は…その仲間達を
忘れて先にばかり進んで来た。
その顔も名も…、
憶えても居ない者も大勢居る」





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