第51章 喧嘩の後は…

「いいえ、大丈夫にあります。杏寿郎。
色留袖等の家紋は、
新たに入れ直しも出来るのですよ？
ですのでありますから。
わざわざに新しい物を新調する
必要はございませんからっ！
新たに今すぐ、購入する必要ありません」

こっちが必死になって止めようとすると
その分杏寿郎の方も
更に高価な物を用意させようとして来る

「なっ、君は俺に恥をかかせるつもりか？
君の色留袖は、あの栗花落少女にでも、
何なら神崎少女にでも譲ればいいだろう！
君達は、苗字が違えど同じ家族なんだろう？
だとすれば、その色留袖の
家紋は胡蝶の紋じゃないのか？」

「……胡蝶の……家紋…っ」


杏寿郎が指摘する通りに

元々蝶屋敷の主人は

胡蝶カナエだったのだから

蝶屋敷のあの面子は
苗字はそれぞれに違えども


共通して”胡蝶”の家紋を使ってる


あげはが家紋の話をしてから

こちらに何も返して来なくなったので


多分俺が言った事が

当たっていたからなのだろうが


「すまない。言いすぎてしまっていたな。
俺も熱くなりすぎてしまっていた様だ。
あげは、なら、間を取ろう。
そうしたら君も納得が出来るだろう？」


そう杏寿郎の方から　妥協案を提案して来て


「と、仰いますのは？」

「今日、ここで購入する、
小紋と紬を半分にしよう。
あげは、それなら君も納得が
出来るんじゃないか？」

半分にすると　杏寿郎が提案して来て

最初に購入するつもりでいた
量に比べると大分少ない量を
提示して来てくれたので


「そうですね。
ええ、半分にありますのなら…」


と随分とこちらの意見に
杏寿郎の方が譲歩してくれたのだと

その案に　あげはは快く同意した


小紋と紬

それぞれを５枚づつの　

合計１０枚の
着物を購入する事になり…

普段使いとは言えど……

着物は着物なので

それなりに値段はしたのだろうが


杏寿郎が妥協案を提示してくれたので
それ以上は言わずに受け入れる事にした



そう　事にした


までは　良かったんだ…