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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第51章 喧嘩の後は…



一見すると小紋にしては
地味な印象を受ける

落ち着いた色合いに見えるこの小紋は

職人が丁寧に
手作業で染め上げた江戸小紋だし

紬の方も…ここからだと
ちょっと距離があるから

織り方の見分けが付きにくいけど…

まさか…とは思うんだけども

あの肩に当てられた時の
軽さとしなやかさ…それから

反物が持つ 上品な光沢……


もしかすると…

大島紬…なんじゃないかなって

ちょっと思ってるんだけど


大島紬なら…値段は最低ランク


でもそれなりにはするし


それに 上を見れば…天井は知れず…だ


着物の女王と呼ばれている


大島紬なのだから


高級な物では仕立てる前の

反物の段階で

数百万…と言うのもあるけど


まさか…ねと


あげはが杏寿郎の方を見ると
その顔がニコッと笑顔に変わった


聞いてみようかとも思ったけど

恐ろしくなってしまって止めた



そうだ 忘れかけていたけど

この人の

買い物単位がおかしいんだった


「それと、そっちのと、
これはいいな。品も悪くない。
うむ、この3枚は頂こう。
後は、そっちに振り分けている中から
適当に数枚、見繕うとしよう」


ん?ちょっと待って 待って


「え?あ、あの…杏寿郎?」

「それと、こっちのと。
ああ、それからそうだな、
そっちのも。後は、…そうだな。
これに合う帯や小物も貰おう」

「でしたら、帯はこちらとこちらが。
どのお着物にもお似合いになるかと」

「こちらの、
お着物は如何なさいますか?」

「そうだな、そっちと、そうそう。
その下の分の、ああ、それだそれと」

杏寿郎の中で既に
あの振り分けの作業の中での
選別は大凡済んでいた様で

迷う様子もなく 
次々に店員に指示を出して行く

「杏寿郎っ。
そんなに沢山は要りません…」









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小紋と紬の話

※江戸小紋

一見すると無地に見せるほどの
細かい柄を一色のみで染め上げる物。
他の小紋よりも細やかな作業工程で
作られており、格が高いとされている。

※大島紬(おおしまつむぎ)

奄美大島で生産される紬。
特に丈夫で知られている紬の中でも、
200年は着られると言われるほど
大島紬は丈夫。
世界三大織物とも呼ばれている。
泥染めの染色による、光沢が特徴。

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