第51章 喧嘩の後は…
「…言えばっ、
いいのでありましょう?言えば。
…わかりました、その方から杏寿郎の
話をお聞きして。その、お団子を…
あそこで食べてしまわないで。
杏寿郎と…、一緒に頂きたいと…ッ
そう、私は思っただけにあります」
知られたくなかったし
言いたくなんて 無かったのに…
「あげは、いいだろうか?」
「あの、杏寿郎?
いいも何も、…ここは…ッその」
グッと杏寿郎が
あげはの肩を掴んで来て
すぐ真ん前に杏寿郎の顔があって
その杏寿郎の顔を見れば
杏寿郎が望んでいる行動は分かっているけど
「俺は団子もいいが…。
すぐに君が…どうにも食べたいと言う
衝動を、抑えられそうにないがな」
「でっでも、私はその例の
エビのお団子…は
まだ、頂いておりませんよ?」
「8年前に食べただろう?俺よりも先に…」
8年前と言う言葉が
杏寿郎の口から出て来て
「……っ、杏寿郎は。
8年前の事までも…、
ご存じであられるのですか?」
あげはは驚きを隠せないと
言いたげに杏寿郎の顔を見た
「ああ。店の主人が話してくれたからな」
自分の耳に吐息が掛かる
彼の吐く息すらが熱い
杏寿郎の熱が 耳に掛かって
「あげは。俺は…、君が好きだ…」
ちゅ…と耳介に口付けられて
ぴくッと小さく身体が跳ねる
「んっ、やっ、
耳元で…、囁かないで…ッ」
肩に手を置かれて
赤い瞳にじっと見つめられて
「言ってはくれないのか?」
「私も、同じに…あります…よ?
杏寿郎、貴方の事が…。
好きにありますから」
そのまま どちらからでもなく
唇を重ねて 口付ける
「んっ…、杏寿郎…そのっ、
今朝は…んっ、はぁ、んふっ…」
「ん?何だ?あげは…、
まだ、他にも言いたい事があるのか?
だが…悪いが、今は…俺は…」
そのまま 自分達の
お互いの感情に任せた
口付けを存分に堪能して
お互いの舌を絡め合って
求めあえば…当然に……
吐く息に熱が込もって混じる