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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第50章 団子屋事変


そうあの団子屋の常連客に
応援されてそのまま別れた


俺に義理立てせずとも
ここまで来て置いて

団子は食べないで
帰るつもりにしているなど


全く あげはは… あげはだな


「君は俺には、それは内緒にする
つもりなのだろうが、
偶然にも俺は知ってしまったしな」


そんな 彼女の気持ちが
嬉しいと思わずには居られないし


そんな あげはを


愛おしいと感じずには居られない


「団子を買わずには、帰れまい」


そう杏寿郎が漏らす様に言うと

団子屋に向けて峠を上り始めた


不思議と先ほどまでとは違って
その足は嘘の様に軽くなっていた


団子屋を数時間ぶりに訪れると


「って、どうかしやしたかィ?お客さん。
あの団子に不具合でもありやしたかィ?」

再び現れた杏寿郎に驚いた様子で
店の主人が心配そうに尋ねて来て

「そうじゃないんだが、その、
今日はまだ団子は残ってるだろうか?
いや、ああ言っておいて、お恥ずかしい
話ではあるのだがな。実は…の話」

申し訳なさそうに杏寿郎が言って
経緯を団子屋の主人に説明すると
大笑いされてしまって

「そんな事なら、問題ねぇ。
待ってなせぇ、すぐに持ち帰り
準備しやすぜ?ああ、そうだ」

「あげはも…、彼女の方も
こちらにお邪魔していたと。
言う話であるのならば、先程、下で
こちらの常連さんから聞き及んでいるが…」

「ああ、そうでありやしたか。
いや、うちのいすゞがね。
あげはさんにも、
失礼をしちまったんでねィ。
もう今日は奥で、休ましてまさァ」

団子が焼けるのを待っている間も

家に帰りたい気持ちがどうにも

落ち着かない感じで

あの看板娘が居ないのは助かったが

あの娘さんが あげはに
何をしたんだろうか?

早く 家に戻ってあげはに

一刻も早く

謝りたいし…抱きしめてやりたいな…


いや その前に団子を…渡してから

いや まずは



「謝まるしかないな!!それも全力でだ!」


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