第50章 団子屋事変
「おお!紋次郎じゃねぇか。
久しぶりだな!元気か?
心配は要らねぇ。俺は元気だからな!!
喜べ!お前も来いっ、鬼退治だ。
俺の手下にしてやるっ!
俺には、きび団子ならぬ、
エビ団子があるからな!!」
炭治郎にそう言いながら
伊之助が腰に手を当ててふんぞり返りながら
ぬははははっと大きな声で笑っていて
きび団子やら鬼退治と言っているので
伊之助が桃太郎の事を言っているのは
何となく炭治郎には分かったのだが
炭治郎の鼻にはある事が分かって
「ん?二人はさっきまで、
あげはさんと一緒だったのか?
二人から、あげはさんの匂いがする。
それにその団子。
あの峠の団子屋さんのじゃないのか?」
「ぬはははっ!正解だ。金次郎!
エビ団子、旨めぇんだぞ!
金次郎も食うか?」
「いや、俺も…さっき煉獄さんの家で
あそこのお団子なら食べたけど。
一体。どう言う事なんだ?二人共。
俺は、俺の鴉に任務だって言われて
こっちに向かって来ただけだ」
善逸が上空を旋回して飛んでいる
チュン太郎の方を見上げると
チュン太郎を指さして
「え?任務?炭治郎も任務なの?
ああっ!!任務って、もしかして、
炭治郎も一緒って事じゃない?
うひゃあああっ、マジ?マジなの?
俺、嬉しいよぉおおっ!炭治郎~。
俺を守ってぇえええっ、
頼む、頼むよぉ~、お願いだからぁああっ」
そう言って自分の腰に縋り付いて居る
善逸を炭治郎が引き剥がしながら
「俺は、善逸は助けない。
安心していいぞ。
善逸、善逸は強いからな」
「酷ぃいいいっ、どうして
俺にそんな冷たいのさっ、お前はさ。
俺が可哀想だとは、思わない訳っ?」
「んで、話、聞けたのかよ?権八郎」
その一人賑やかな善逸を無視して
伊之助が炭治郎に声を掛けて来て
「うん。まぁ、呼吸に関する話自体は。
その、聞けたには…聞けたんだけど。
伊之助。俺からも聞きたいんだが。
もしかして、あの峠の団子屋に、
あげはさんを…
連れて行ってたりとか、してないよな?」