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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第50章 団子屋事変


そう言って 伊之助が
いつの間にか注文していたわらび餅を
あげはの方に差し出して来て

「わらび餅。うん、ありがとう
これは食べられるから貰うね。伊之助」

私がここでお団子を食べないと
言っていたから こっそりと
わらび餅を頼んでくれていたらしく

その伊之助の優しさが 心に染みて来る

でも お勘定 
私持ち…なんだけどな ここ


「でも、それを無かった事に
していいとは、私も思いません。
人は…、人の心はそれほど弱くもない。
かと言って強くもない、毎回私も
それをしてしまっていいのかと迷います。
暗示を掛けて記憶を塞いでしまう事に…
何の抵抗も無い訳じゃないので。
私も、憶えて居たいと思って居ます。
辛い記憶には変わりはありませんが。
私にとって、
その記憶も大切な物にありますので
すいませんっ、こんな所で私ばかり
長々と自分の話をしてしましまして…ッ」


「土産にうちの自慢の団子でも…っと
言いたい所だが、お客さんのその
心意気を邪魔する訳には行かねぇ」

「何だ?おっさん。
団子、くれんのか?」

「もう、伊之助は黙ってろよ。
お前には、関係ない話だって」

「あ、えっと…、私は結構なのですが
この二人に…でなら、お世話になりたいですが」


「なら、もう先にお代は多すぎる位に
お客さんのいい人から貰っちまってるんで。
ちょっと待ってて下せぇ。準備しまさァ」

お金は杏寿郎から頂いてるから
結構だと言われてしまって

かなりの量の団子を持ち帰り用に…と
店の主人から貰ってしまって

「あの、流石にこれは…多すぎます…。
お代、お幾らですか?支払わせて下さい」

ずっしりと重い包みを渡されて
あげはがそれは受け取れないと
突き返そうとしたのを
逆に受け取らされてしまって

「いいんでさ。だったら、これは
俺からの礼でさ。
娘の心を守って頂いた事への。
ですんで、受け取ってやって下せぇ」



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