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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第50章 団子屋事変



「忘れられやしないよ、あの時
アンタを助けてくれた鬼狩り様。
あの大きな蝶の頭の飾り…も、その顔も。
8年前は今のアンタ位の
あどけない顔してたが。見間違えやしないよ。
さっきのあの姉さんが蛍池で、あの夜に
アンタを助けてくれた鬼狩りさんだよ」

「私…あの人に命を救われてたの?」

母親の言葉にいすゞは驚きを
隠せない様子でそう返して来た

「いすゞ。アンタって子は。
つくづく。運だけはいい子だよ、
アンタは、二度も鬼に会ってて、
それでも、命があるんだからね」


その頃 店の方では


「すいやせん、鬼狩り様。
あの子はあの夜の事は憶えてねぇみてぇでさ。
お客さんは、あの時の蛍池の鬼を倒した
あの鬼狩り様なんでやしょう?」

「蛍池?河童みたいな鬼…蛍を見に来た
子供ばっかり襲う鬼…あっ、え?あの時の?
あの女の子の、お父様であられますか?」

団子屋の主人があげはに深々と
頭を下げて来て

「え?団子屋のおじさん、
あげはさんの事知ってるの?」

「あれ?
私の記憶が確かであるのならば。
こちらは、おうどん屋さん
じゃなかったですか?
このお店。うどん屋さんでしたよね?」

その時の事を思い出して
あげはが主人にそう話をすると

「へぇ、あの時はうどん屋をしてやして。
うどん屋はお恥ずかしながらに、
思う様に行ってなくて。
あの時に鬼狩り様があっしに、
言ってくれたじゃねぇですかい」

その店の主人の話に
朧げにではあるが当時の記憶が蘇って来て

私が男の子の頭を返した後に

風呂と食事をせめてものお礼にと
そう申し出て来たので
私は大したことをしていませんからと
丁寧にお断りをしたのに

どうしてもお礼がしたいと
ここに連れて来られて

それから 温かいお風呂と

うどんとお団子を頂いたのを思い出した


「あ、エビのお団子っ…」


そうか お団子

エビ団子

その時に食べたんだ…私



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