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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第50章 団子屋事変



「それともあれかい?
私の男に色目使って、
ただじゃ済まないわよ?この泥棒猫め!
とかってぇ、いすゞちゃんと
派手にやり合いに行くつもりかい?
そうだってんだったら、
俺もご一緒しようかねぇ。
アンタの顔見たいって客は、大勢いるしなぁ」


何がなんなのか分からないけど
何故か私はその団子屋界隈で

有名人になっているらしい


「あの、私はこちらには
来た事がないのですが。
どうして、私はそんなに
有名人になってるんですか?」

「海老天のっと、
ああ、名前、そうそう。
あげはちゃんつったっけか。
そらあれだ。
アンタのいい人と、
今朝方喧嘩したんだろ?」

「ええええっ?ちょ、どうしてっ
喧嘩の事っ、ご存じなのですか?」


初対面の男性が
今朝の自分達の喧嘩の事まで
知っていた事に
あげはは驚きを隠せずにいて

「そら、海老天の
兄ちゃんが言ってたからな。
ああ、でも、
あっこの団子が美味かったから、
アンタにも食べさせてやりたいってよぉ。
海老天の兄ちゃんが言ってたぜ?
姉ちゃん、愛されてるねぇ」

「あ、あの…ッ、
ありがとうございます。
あの…お尋ねしたいのですが、
…そのお団子屋さんには、
お団子以外もありますか?」

そのあげはの言葉を聞いて
ニッとその男性が口の端を曲げて
自分の顎を弄りながら うんうんと頷くと


「ああ、あるある。
焼き餅のお汁粉がな」


焼き餅の… と言うその男性の言葉に

まるで自分が焼き餅焼きだと
指摘されている気分になってしまって
あげはが自分の頬を少しばかり赤らめて
気恥ずかしそうにしながら

その目を伏し目がちにする


「そうですか、
焼いた餅…のお汁粉…ですか。
ふふふっ、
なかなかにお上手にあられますね。」


この人…悔しいけど

上手い事言うよなぁって
内心感心してしまっていて


焼き餅…か


今の私には
ぴったりかもしれないなぁと
あげはが
しみじみと考えてしまっていると



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