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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第49章 日と炎と


「お前の方こそ、
大丈夫なのか?杏寿郎」


自分から団子を食べようと
言い出して置きながら

一向に団子を食べる様子のない杏寿郎に
槇寿郎がしびれを切らして声を掛けた


「父上。
あげはが鏡の呼吸の鏡眼…で
竈門少年の使う、
そのヒノカミ神楽を映した時。
何故か、彼女は
その型を映したのではなく。
不特定多数の誰かの
記憶を垣間見ていた様にありました」

「悪いが、
鏡の呼吸については俺にも分からん。
鏡の呼吸は、あげはが生み出した
あげはだけの呼吸だからな。
だが、あの型は本来は
相手の動きを写し取り複製する型だ。
考えられる可能性を、
敢えて挙げるとするなれば…、
恐らくには、あげは自身の
鏡の呼吸が深まった…からなのだろうな」


「呼吸が…深まるのですか?」

千寿郎が槇寿郎に対して
説明を求める様にして尋ねて来て


「呼吸が…深まった事で。
今まで見えなかった物が、その鏡の目に
映せるようになったのだろうな。
型を写し取る、
以上を映すようになった…と
仮定する方がお前も
納得もつくだろう?杏寿郎」

確かに 急激にこの数日で
あげはの鏡の呼吸は進化してる
呼吸として成長してるんだ

もの凄いスピードで

「父上、俺は…あげはの使う呼吸には
他の呼吸にない可能性を感じるのですが。
先程の始まりの呼吸の話、
そこから考えれば、鏡の呼吸は
派生の派生の呼吸でしかない」

「最大の欠点のある呼吸でもあるが、
その欠点を除いても、他の呼吸にはない
未知を秘めてるだろうな。
言葉にするなれば、進化と可能性だ」

「鏡の呼吸の最大の欠点?
姉上の使われる、あの呼吸には
欠点がある…と言う事ですか?」

千寿郎がそう言って小首を
傾げていたので

「ああ、千寿郎。
あげは本人が言っていたが。
鏡の呼吸単体では、
攻撃する手段を持たない。
あくまで映す、模倣する、
なぞらえるその対象を持たなければ、
鏡の呼吸単体だけでは、
攻撃する事は不可能」


攻撃の手段を持たない 呼吸…




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