第49章 日と炎と
言ってしまって 良かったんだろうか
あげはさんには あんな風に言われたが
でも 煉獄さんのお父さんの話を聞いて
話さなくちゃってそう 思ってしまった
「ふむ。そうか、
逆の発想か…そうかも知れん」
槇寿郎が自分の顎を擦りながら
唸り声を上げる
「つまり、全ての呼吸が、
始まりの呼吸である
日の呼吸の派生なのであると仮定をすれば。
全ての派生の呼吸も、その5つの
基本の呼吸のどれかに位置する。
音は、雷の派生。
花は水の派生…、霞は風の派生。
あげはの使う、鏡も水の派生だ」
そう顔を顰めながらに杏寿郎が言うと
「その全てが、
5つの呼吸に基くのであれば…。
その5つを合わせれば…
大元に戻るのかと…。
あげはさんの
推測の話ではあるのですが、
5つの基本の呼吸の
色を合わせれば、黒になるのだと」
炭治郎の脳裏にはあの時
あげはが見せた
クレヨンを重ねた
太陽の絵の映像が浮かんで来て
「そうか、黒になる…のか。
竈門君。君の日輪等は黒刀なのか…?
煉獄家に代々伝わる炎柱の手記に
始まりの剣士のついて、記載されているが。
その始まりの剣士も、君と同じ黒刀の剣士で、
君と同じように、額に赤い痣があったそうだ」
額の痣…
額の火傷の痕を炭治郎が手で押さえて
そっとその額の痣を
自分の手で撫でると
その表情を曇らせる
「すいません、槇寿郎さん。
これは、痣じゃないんです。昔
弟が火鉢を倒したのを庇った時に
出来た物であって、ただの火傷なんです」
「そうか、それは…すまない事を
聞いたようだな。忘れてくれ」
「いえ、でも…
こんな形では無かったんです。
最終選別の時にこの上を負傷して、
痣の様になった…だけです。
でも、俺の父は、生まれつき額に
槇寿郎さんが言う様な
薄い赤い痣がありました。
だから、何かしらの呼吸と
痣の関係は…あるのかも知れません」
ヒノカミ神楽と
日の呼吸
始まりの剣士の額の赤い痣と
俺の父さんの額の赤い痣