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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第49章 日と炎と


そう言いながら 部屋の上座の
予め置いてあった座布団の上に
槇寿郎が腰を降ろして胡坐を掻いた

ビシッと炭治郎が正していた姿勢を
更に正して 
身体ごと槇寿郎の方へ向けると
真っすぐに


槇寿郎の目を見据えて来る


その目を見て居ると

酷く懐かしいと感じてしまった


鬼狩りをしていた時に

こんな目をした仲間たちが

次から 次へと 死んで行った


いい奴だったんだ

どいつも こいつも


死んでいい 奴らじゃなかった…


志半ばにして…


その名すら あやふやに


その顔すら おぼろげになる程に


多くの仲間を 失った



かつての俺も… あの頃の俺は


この少年の様な

目を… 瞳をしていたのだろうか?


そう 過去を思い返そうとも


その頃の事も…
ロクに思い出せない様だった


俺も随分と年を取った…な


皮肉な物だ… 今更それを

思い返しても仕方ないと言うのに



「はい、俺の実家は
炭焼きをしているのですが。
神事の時にヒノカミに
奉納する神楽が、
代々伝わっておりまして…。
下弦の鬼と…、
ある任務で遭遇した際に
咄嗟に出たのが、
そのヒノカミ神楽だったんです…」


ジッと槇寿郎の視線が
自分の顔に注がれているのに気が付いて

それから 槇寿郎からする匂いで
その真意を悟った


ああ そうか


この人が見てるのは

俺の顔じゃなくて…




「時に、竈門君と言ったか。
ヒノカミ神楽の話の前に、
その君が付けている耳飾りは?
どうやって手に入れた物だ?」

槇寿郎の言葉に炭治郎が
自分の耳について居る
耳飾りに手を伸ばした

そっと指先で耳飾りに触れる

これは父さんがしていた耳飾り

竈門家に代々伝わる物だ


「これは、俺の家に…
竈門家に代々伝わっている物です。
俺の前は俺の、父がしていた物です。
何時頃からかは明確ではないのですが、
竈門家に代々、ヒノカミ神楽と共に
受け継がれていた物だと…」


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