第48章 嵐、束の間の静けさのち嵐 後編
前に実家のお邪魔した時と
同じ着物着てるもんな ずっと
蜜璃ちゃんが着物くれるって
話にはなってるけど…
それまでの間に
買いに行こうってならないかな?
ああ でも 今朝
思いっきり喧嘩しちゃったしなぁ
気まずい…
でも 春日さんから
あんな話を聞いてしまったら
杏寿郎がどれだけ 私の事を考えて
行動をしてくれてたのか
って知ってしまったから
早く 仲直り…したいなぁって
そう思ってるのは思ってるんだけど
師範にも甘えろって言われたしな
そうだ 蜜璃ちゃんに貰ったあの雑誌
確か 甘え上手は愛され上手って
そんな見出しの記事があった気がする
板の間の本棚に立てていた
蜜璃に貰った女性向けの雑誌を
あげはが引っ張り出すと
その場に正座をして
パラパラとページをめくり
お目当ての記事を探す
「えっと、何々。甘え上手は、
相手の好意に頼って、
我がままが言えちゃう人…?
え?単に自立心が足りないんじゃ…。
ああ、これだ。
甘え上手になる近道…は
えっと、何々?自分の弱さを認め、
素直な感情を表に出すこと…」
バシッと自分の両手を閉じる勢いで
その雑誌をあげはが閉じると
そのまま本棚に戻してそのまま
がっくりとその場でうなだれてしまう
そうだ イメージしてみよう
身近な人で
甘え上手ぽい人を想像してみれば
例えば蜜璃ちゃんとか?
蜜璃ちゃんは…
天真爛漫な表裏のない真っすぐな性格で
分け隔てなく誰とも接する事が出来て
感情をストレートに表現
…うん してるわ
ちょっと天然で 危なっかしい所とか
リアクションが大きいとかも
甘え上手の条件を満たしてるし
愛され系な感じがする 恋柱なだけに