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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第48章 嵐、束の間の静けさのち嵐 後編


呆れたと言いたげに
師範がそうあげはに言って来て

あげははそれは 
そっちもだろうと
思いこそしたが 
あえては口には出さなかった

「でも、お前の顔を見る限りに
それも必要がないようだ。私は
大人しく、自分の山に帰るとしよう。
大丈夫なのは、顔を見ればわかる。
お前はもう、
手に入れたんだろう?あげは」

そう優しい口調で師範が
あげはに向かって語りかけて来て

「いつ死んでもいい覚悟が
出来ている奴は強い。
だが、お前のいつ死んでもいいは
誰かの為に死にたいだけだと、
私はお前に言っていただろう?
だが、それに勝る者が居るのだとしたら。
死なない覚悟が出来ている奴だけだと」



死ぬ覚悟と


死なない覚悟


その違いはずっと

師範の元で修行してる時に

言い聞かされていた



捨てる覚悟をした命には


何の価値も無いのだとも



無価値な命に 自分の命の価値を下げるなと



自分を守れない者には 誰も守れないのだとも


命がけで誰かを守る

守り抜く 守り通すのは


それをして 
生きた者だけが得られるのだとも



「在るんだろう?あげは。
今のお前さんには、
その命を賭してでも、
護りたいと思う物が」



「…師範ッ…」



「あげは。死んでも死ぬな。
お前は生きろ、生きていい。私が許す」


私が許す…なんて


何て師範らしい
頼もしい言葉なんだろう…


ここにも 言葉足らずながらに
自分の事を心配して思ってくれて
励ましてくれている人が…居る


その 事実が

私の中で 力になって行くみたい


「はい、分かりました。
…師範がそう仰るのであれば」


「本当に、強くなったな…あげは。
正直、ここまで成長するとは、
私も思わなかった。お前をここまで
強くしたのは、槇寿郎の倅なんだろう?」


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