第47章 嵐、束の間の静けさのち嵐 前編
そう言って伊之助の前のずんだの団子を
一本善逸が手に取ってその団子をかじった
伊之助を連れてこう言う所来ると
俺が奢った金額以上になるから
やっぱり顔がいいって
大事って思うのよねぇ
「ああ、そうだ。海老天の兄ちゃんの
いい人って、黄色い兄ちゃん知ってる?」
そう隣の男性客が善逸に話しかけて来て
その向かいの席に居た別の客が
「俺も、それ聞きたいわ。
あのいすゞちゃんを
ふっちまうぐらいなんだろ?
それこそ、三国一の
別嬪さんじゃねぇのか?
その、あげはちゃんって子は、
お前さん知ってるのかィ?」
そう
あげはについて聞きたい様子で
善逸に問いかけて来て
「ぇえぇ?ああ、あげはさん?
あげはさんは、確かに別嬪だけど。
可愛い系って言うよりは、美人系かなぁ」
「いすゞちゃんは可愛い系だから、
海老天の兄ちゃんは、
綺麗系が好みだった訳かぁ~」
善逸が自分の胸の辺りで
ジェスチャーで胸の膨らみを
自分の手で描いて
「まぁホラ…、
いすゞちゃんには無い物が
あげはさんにはあるって言うか…。
これぐらい?
いや、もっとかな?これ位?」
善逸が首を傾げながら
そのラインを空中に描き直して
「色気かぁ~、そりゃ勝ち目ねぇなァ」
「はっはっはっ。
男だったって訳かぁ、海老天の兄ちゃんも」
「さっきから、何の話してんだ?
あげるがどうしたってぇんだよ?」
伊之助がそう団子を口に頬張りながらも
そう自分がのけ者になってるのが
気に入らないのか口を挟んで来て
「だったら、伊之助。
お前はあげはさんの顔見て
どう思う訳?その、後胸とか」
「あん?あげるの顔?
俺は、あげるが笑ってる顔が
一番好きだからな!
あげるには笑ってて貰いたいからな!
ぬははははっ、当然だ!その為にも
ケッコンシキ出来る様にするだけだ」
「うん、伊之助聞いた俺がバカだったわ
うん、お前、団子食ってていいよ。うん」