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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第47章 嵐、束の間の静けさのち嵐 前編


「いや、俺には…何の事か…
失礼だが、お嬢さん。俺には
貴方の記憶が…、無いのだが…ッ」

「こらっ、いすゞ、
お客さんから離れねぇか!
失礼ってもんだろうがよ。
嫁入り前の娘が、
はしたねぇ真似してくれんな」

いすゞの父がそういすゞを
窘める物のそれをいすゞは
受け入れる様子もなく
ギュっと杏寿郎の身体に縋り付く

「えっと、
その…申し訳ないのだが。
俺から、離れて
貰いたいのだが?お嬢さん」


力任せに引き剥がそうと思えば
それは容易いのだろうが
娘の肩を掴もうととして
杏寿郎がその手を引っ込めた

変に若い娘の身体に触れてしまうのは
失礼に当たるだろうし
杏寿郎がどうしたらいい物かと
思って戸惑っていると


「嫌です!いすゞは、こちらの方の
元へ嫁ぎます。煉獄様、いすゞを
煉獄様の妻にして下さいませ」

ガタンっと座っていた
男性客の一人が立ち上がると

「ふざけんな!
お前、見た事ねぇ顔じゃねぇかよ。
俺が、いすゞちゃん目当てにこの店に
ずっと通ってるってぇのにっ。
突然現れて、
かっさらって行ってんじゃねぇぞ?」

「いや、その、俺はその辺りの
事情は知らないし、興味もないのだが。
だったら、君が俺から
彼女を引きはがしてくれないか?」


「いすゞ、何をやってるの?
馬鹿な事してないで、さっさと、
その人から離れるんだよ」

騒ぎを聞きつけて
焼き団子の守りをしていた
母親が店の奥から出て来て

「いやっ、離れないからっ。
お母さん邪魔しないで、
いすゞはこの人のお嫁さんになるのッ!」

「馬鹿お言いでないよ」

グイっといすゞの首根っこを
母親が掴んで
強引に杏寿郎からいすゞを引っぺがすと

ポイっと馬場垂れ猫でも
捨てる様にして地面に捨てた


「いい加減におしよ?いすゞ。
私しゃ、お前を
泥棒猫に育てた憶えなんてないよ?
こんな小さな団子屋で
看板娘してるぐらいで。
三国一の
美女にでもなったつもりかい?」


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